君がくれたもの

□Ep.9 狂い出す歯車
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【監視者の街・ユリアシティ】
「ティア、待たないか。今お前が外郭大地に向かってどうなると言うのだ。」
「でも、ルークだけじゃなくて兄さんからもここ最近ずっと連絡がないのよ!じっと待ってる訳にはいかないわ。」
「こっ、これ、ティア!」
お祖父様の制止を振り切り、ユリアロードに飛び込む。
体がフワリと浮き上がる感覚がした後、私の身体は水のなかに浸かっていた。
「アラミス湧水洞に通じてると言う話は本当だったのね…。」
誰に言うでもなく呟いて、カバンから一枚の手紙を取り出す。
ルークが居なくなる前日に兄さんから受け取った手紙…。
この内容によれば、今ルークは神託の盾騎士団に居るはず。
「少し不安だけど…、行くしかないわね。」
ルークと兄さんに会えば、きっとこの胸騒ぎも落ち着くはず。
この時の私は、何も疑わずにそう信じていた。
兄さんの中に潜む狂気も、ルークの苦しみも、何も知らずに…。
〜狂い出す歯車〜
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狂い始めた運命は、音もたてずに忍び寄る。


―to be continue…
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