幸せの欠片

□…空…
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「空が青いって…、何言ってんだよ。そんなの当り前で…あっ。」
そこまで言ってから、思わず俺は左手で自分の口をふさいだ。
そうか、ティアはずっと魔界(クリフォト)に居たから…。
「あなた達にとっては…、そうね。当り前のことだわ。」
「ごめんっ、俺また無神経なこと言って…。」
「いいのよ、あなた達にとっては、それが”当り前”なのだから。」
そういって、少し寂しげな表情で空を眺めるティアはいつも以上に綺麗に見えて思わず見とれてしまった。
「−…///」
「ルーク、どうかした?」
「−っ!いっ、いや、なんでもねーよ!!」
気づいたらティアの顔が目の前にあって、つい飛びのいちまった。
ティア、怒ってるかな…。
「…?変なルーク。大丈夫?なんだか顔が赤いようだけれど…。」

「あ、ああ、ホントに大丈夫だって。」
よかった、怒ってはないみたいだ…。
俺の返事には「それならいいのだけれど。」と言って、ティアはまた空の方を向いてしまった。
それがなんだかさみしくて、その気持ちをごまかすように俺も空を眺める。
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