高校生

□お嬢
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もちろん、殺されるのはお嬢ではなく私の方…

監督不行届と言われるだろう

お嬢に悪い虫が付かないように、誘拐や危害が加えられないように
世話係はそういう護衛の役目も担っている

私も細心の注意を払って来た
必ず学校での出来事を聞いていたし、送り迎えも当然していた
コミニュケーションは万全だった

だからお嬢に別の高校に編入したいと聞いた時には私も理由を知りたかった
お嬢は何も私にも相談してくれないで決めたから

でもやっとの思いで聞き出した時びっくりして言葉が出なかった



「編入する前に調べた方が良くないですか?…」

絞り出した言葉がこれ

「何を?」

「相手はどんな人かもわからないし、もしかしたら恋人が居るかも……」

私の言葉に瞬時に泪を溜めて私を見つめる瞳に、しまった!と思った
泣かせたかった訳ではないから

でも私が口にした事は、間違えてはないと思う


お嬢が編入したい理由

好きな人が出来たから
だからその高校に編入したい

と言うものだった

寝耳に水とはこの事で、私は全く気付いていなかった

高校生ともなれば好きな人の1人や2人出来てもおかしくはない
おかしくはないが、聞けば聞く程危うさしかない

お嬢はその人と面識らしい面識はない

言ってしまえばお嬢の一目惚れ

危険極まりない

 
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