社会人

□髪
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「考えて見たら、今までちゃんと話した事ってないよね?私達…」

「………そうかもね…」


抱き合って愛を囁きあった事は数あるけれど、将来の事とか二人の関係とか真剣な話は私が避けていたかも知れない
少しでもこの関係を長続きさせたくて、余計な事を言って彩乃が居なくなるのがイヤだったから


「私ね、リンちゃんと再会するまで、1つだけ後悔してた事があるの」

「……男の、話なら…聞きたくないんだけど…?」

念の為言っておいたけど、華麗にスルーされた
って事は男絡み確定?

まぁ、私に彩乃の話を聞かない選択肢なんて無いんだけど

「…何?後悔した事って」

自然に彩乃の機嫌を直す術も身に付いている
機嫌が悪くなったかなんて解らないんだけど、フォローはして置きたい私は小心者

「…後悔って言うか、悔やんだ事かな……大学1年の時に、リンちゃんに言ったでしょう? 私の好きになった人を取ってたの?って…」

あぁ…そっちか…

根掘り葉掘り聞かれたら困る
私が如何に最低かを白日のもとに晒すようなもの

あんな事しといて彩乃と一緒に居るなんて卑怯だよね…

「あんな事……言わなきゃ良かったなって 言わなければ良かったなって、後悔したの」

「……」

…私を、傷付けたとか思ったのかな…
傷付いたとしたら彩乃の方なのに…

 
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