高校生
□幸せな時間
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学校に着いて、教室に着いて、席に着いて
鞄を机の横に掛けて机の上に腕を置いて頭を乗せる
いつもの日課
ボーッと眺める視線の先で、クラスメイトが数人集まって話をしている
特別に仲が良い訳ではないけど、たまに話したりもする
在り来りな当たり前のクラスメイトの関係
その中の一人の子が私に気付いてニコリと笑う
私に笑いかけた訳じゃないのは見てわかる
社交辞令と言うか、目が合ったからそうしただけで、ただの会釈と同じ意味しかない
でもその子ならそれも嬉しかったりする
その子をさり気なく見たくて寝たふりみたいな事を毎日してるんだから
これなら見てても変に思われないしね
サラりと伸びる長い髪
整った顔立ち
綺麗だなっていつも思う
「また寝てるー」
私の視線を遮るように1つ隣りの机に座られた
と言ってもその人、高橋愛理の席なんだけど
普通に席に着いてくれれば辛うじてあの子が見えるのに、私の真似をするように机に突っ伏して私の視界に入って来るから、私は諦めて上半身を起こす
最近席替えがあって、隣りの席になってから何かと私に話し掛けて来る愛理
心の中では愛理と呼んでるけど、実際に呼ぶのは高橋さん
私は基本的に苗字呼び
さんは付けたり付けなかったり
1匹狼と言えばカッコイイけどそんなんじゃない
人と付き合うのが面倒なだけ