雨音、咲夜
□イライラ 2
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新学期
各々夏を満喫したであろうクラスメイト達と共に、グループ発表を終えホッと一息
各グループ中々の出来映えで、遊びスポットの保存版に出来るんじゃないかと思う程
ダブった場所は当然あったけど、違う視点で見られていて行った所なのに知らない事も多かった
「くぅ 飯食おうぜ」
新学期を迎えて私の回りでは少し変化があった
グループメンバーと夏休みが過ぎても割と仲良くなった事
それは、私と舞の別れと私と愛美の始まりを目撃共有した事に寄る所が大きいのかも知れない
高校生最後の夏休み
一種特別な時間
そして同性愛への接近
戸惑う事もあったに違いないのに、秘密を共有する仲間のような関係が築かれた
私としてはバラされても仕方ないと思っているし、見る目が変わっても受け入れるしかないと思っている
それはけして私が強い訳ではなく、どうにも出来ない事だから
「愛美ちゃんも一緒に食べようぜぃ」
今までなら愛美と一緒にお昼を過ごす事なんて男子は出来なかった
告白してるような物だし、振られたらそこで全てが終わるから
でもグループ活動のメンバーでのご飯となれば気軽に誘える
アイドルを好きな男の子は、アイドルをけなされれば不愉快になるし、アイドルに恋人が発覚してもショックは受けてもファンは辞めない
そして同じ人を好きと言う共鳴
そういう意味で、愛美は正にアイドル扱い
愛美を近くで見ていられれば幸せって男子が多い
グループメンバーの男子も同じ
私と愛美が付き合う事は、本当に色んな意味でショックだったに違いない
でも愛美を好きな気持ちが勝ったようだ