04/15の日記

18:53
白雪姫
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陽の光を吸い込む黒髪も
陽の光が透けるような肌も
雫の滴るような赤い唇も
全部 ぜんぶ
僕のものにしないと

他の誰にも
触らせない 見せたりもしない
一つ残らず 僕のものにするんだ

魔女の私は
王子のそんな欲望を
風の噂で聞いていた

あの美しい王子は
どうにも歪んでいるのだと
生温い風が教えてくれた

あなたが何も知らないうちに
あなたの時を少し止めて
王子から助けたかった

悪だと謳われるのは
百年前から慣れているもの

「あなたの瞳は
美しい色をしてるのね」
俯いた私を覗き込んで
そう微笑んだあなたのためなら
あなただって殺せるわ

さぁ
あなたの唇と同じ赤の林檎をもって
ドアを叩きましょう

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