10/06の日記

14:02
ブレーメンの音楽隊
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老い先短い毎日は
一踏みずつ 砂より脆い音がした
はやく はやく
鳴けないようにしてほしかった

荷が引けない僕でも
バイオリンが弾けるだろうか

掠れ声しかでない僕でも
青葉のような歌が歌えるだろうか

折れた爪しか持たない私でも
軽やかに鍵盤が弾けるだろうか

澄んだ鳴き声を忘れた私でも
空が青くなるような音が吹けるだろうか

もぬけの殻になった
明るく温い丸太小屋で
弾き歌い 弾み吹く夢を見た

誰も気づきはしないんだ
ブレーメンへ辿り着けなかった
僕たちのこと
ブレーメンを忘れて眠る
僕たちのこと

叶えたかった夢を忘れ
眠りの中で夢見る夜は
この世のものとは 思えないほど
深くて甘くて 美しいよ

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