リヴァエレ本

□クマイさんのコンビニ「よく来たなガキ共」 リヴァエレ エレン総受け
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「おいガキ共、エレンが限界だ。冷やものは戻して、いったん外へ出ろ」
その号令がかかれば、心得た者は即座に行動に移してその場を離れる。
夏の暑いさなかも、今日のように凍える冬もだ。
「クマイさん、札立てときます!」
「おう、悪いな」
慣れた者は立ち入り禁止の看板を小脇に走るし、一見さんのフォローも忘れない。
「は?え、な、なに??」
「いーから、さっさと出て!」
商品を籠にぶち込んでその場に残すと、長身の男が引きずられるようにして出ていった。
全員が自動ドアの開かないギリギリの場所に待機し、扉が閉まると同時にそれは開始された。
カウンターにくたりと横たわる若いバイトくんの口に、クマのぬいぐるみが装着したペニスバンドの人口ペニスが入る。
エロい腰つきでぐにぐにと押し込まれるそれを、バイトくんは涙目になりながらも懸命に舌を這わせて飲み込み、自身の尻に埋められていた…たぶんバイブをずるずると引き抜いた。

「…は、はああ〜〜???」
初見の者はたいていこのような反応をとるが、でかい声でわめかれるのは邪魔でしかない。
目の前を陣取っていた男から、がすっと踵で脛を蹴られ、声もなくその場にうずくまる。
「ちょっと、うるさくするようなら帰ってくれる?」
声が聞こえないじゃない!そう言ってにらみを利かせたのはきれいめのお姉さんだ。
「す、すみません…」
蹴られた脛を押えながら、涙目で謝った。


ここは大通りから一本入ったところにある、知る人ぞ知るコンビニ。
店長は動いてしゃべる、かつてお茶の間をにぎわせた有名なクマのぬいぐるみだ。
丸くてふわふわなフォルムとは裏腹に目つきが鋭く、下品で口が悪いそのぬいぐるみは、昼も夜もふらっとこのコンビニに現れてはマスコット的存在として賑わせていた。
毎月の売り上げも店内の整頓具合も系列のコンビニとは一線を画するほどで、店長の手腕によるところだろうともっぱらの噂であったが…
売上好調の真実は週1回の深夜帯にあった。
それがこれだ。

「ぁっぁっ……ぃゃぁぁっ!ぁ、ぁぁっ……………!」
その場に集まった老若男女が、漏れ出る艶声に耳を澄ませ、ガラス一枚隔てて披露される痴態を一瞬も見逃すまいと目を凝らす。
深夜で、大通りではないとはいえ車の一台も通らず、静まり返った場所にこんなに人がいるのに誰も物音ひとつ立てない。
かなり異様な光景だ。

バイトくんは出入り口を向いてカウンターにもたれているので、見えているところは白いお尻くらいで、きわどい箇所は隠れて見えない。
だけどクマ店長のなぶるような動きに耐えかねたのか、さっきからうねうねと揺れる桃尻がはっきり言ってものすごくエロい。
クマ店長がそのお尻をぽふっと叩き、それまでうなだれ下を向いていた顔がこちらを向く。
ふにゃふにゃにとろけた顔が客の視線を捉え、いっそう赤く染まったところで、突き上げが開始されたのか快楽に歪む。
「あぁ!いやああん、ああっ!あ、すご…っクマイさぁん!」
お尻の後ろでぬらぬらと濡れた人口ペニスがちらちらと見え、反り返ったエプロンの胸元が不自然に揺れる。
まぎれもなく男の子であるこのバイトくんの胸元を揺らすのは、きっと乳首に取り付けられた
重しか何かなのだろう。
揺れがきついのか、突き上げがやばいのか、先ほどよりも大きく腰に響く声を上げて身を悶えさせる。
「クマイさ…、浅いとこばっ、いっちゃう…っ奥が、いいのにいぃっ!」
カウンターの端を握りしめて耐える様も快感にとける顔もいやらしくて、それまで性癖に何の疑問も持っていなかったはずが、男相手に股間が熱くなる。
「あっ!いっちゃう、いっちゃううっ!」
荒くなる呼吸を押えながら、思わずケータイに手を伸ばす。
録画ボタンを押し独特のシャッター音を響かせたところで、その場にいた全員が振り返った。
「バカ、取り消せ!」
「え?え?」
周りの慌てように戸惑っていると、自動ドアが開き、黒光りするぺニバンをつけたままのぬいぐるみがすごい形相で歩いてきた。
…と思ったら瞬時に目の前から消え、バキッ!!と重い音があたりに響きわたった。
壮絶な痛みを頬に感じ、その場にどさりと転がる。
「おいてめえ…誰の許しを得て撮ってやがる」
何が起こったのかわからず、痛む頬を押えて目を白黒させていると、落ちたケータイにぽふっと足を乗せてすごまれた。
足蹴にされたケータイの画面がパキリと音を立て、強化ガラスにひびが入る。
「す、すみません…っ」
「て、店長!エレンくんが放っとかれて泣いてます!」
半泣きで謝ると、周りの方がたぶんフォローを入れてくれた。
チッと舌打ちしてぬいぐるみがお尻をふりふりさせて戻り、バイトくんを伝って背後に回ると激しい突き上げを再開した。
やっぱり状況がつかみ切れてなくてその場に固まっていると、周りから暖かな声がかかる。
「最初はやる人多いのよ…説明もなくごめんね」
「画面は割れたが、ちゃんと動くぞ。よかったな。ちゃんと消しとけよ?」
「す、すみません…ありがとうございます……」
新たな涙がこみ上げ、拾ってもらったケータイを受け取った。

「いやああ、クマイさ…っイく!イく!!ひあああああっ!」
そうこうしている間に、ガラスの向こうでは寸止めだったと思わしきバイトくんが絶頂を迎えたようだった。
その場にいた全員が視線を戻す。
ガクガクと体を揺らしイき顔を晒すバイトくんは壮絶な色気を放っていて、誰かの喉がごくりと鳴った。
ぺニバンを外したぬいぐるみがゆっくりとこちらにやってくる。
「おう、ガキ共もういいぞ」の声でようやく異様な光景は霧散した。
客同士が興奮した面持ちで和気あいあいと語り合いながら中に入っていく。
コンビニに入ると、息も荒く気だるい表情でカウンターを拭くバイトくんがいた。
我先にと皆がレジに並ぶ中、長身の男もどうしようか迷ったものの列に並ぶことにした。
クマのぬいぐるみは隣で見ているだけなので長い。
それでも気長に待つことしばし、ようやく自分の番になり、会計してもらう際にバイトくんに声をかけた。
「その、中断させて、すみませんでした」
「別に」
まだ頬に赤みは残るものの、さっきまでの可愛さはどこにいったのかと言わんばかりのツンな返答だ。
やっぱり怒ってるのかなと不安げに差し出したせいか、おつりをもらう際に小銭を取りこぼしカウンターの下に転がった。
「あっ」
「待て。…エレン。拾え」
自分で拾おうとしたところでぬいぐるみから声がかかる。
とたんにバイトくんは表情に色を乗せ、はい、と素直に返答をするとゆっくりとこちらに回った。
「…く…っ、ん…」
なんだかつらそうな様子にハラハラしたが、自分の前に来たとたん把握した。
ヴーンという小さな音を響かせ、バイトくんがゆっくりとかがむ。
「ん……は、ぁ……っ」
さきほどは聞こえなかった小さな喘ぎが側で聞こえ、思わず自分も前かがみになった。
「い、…あっ!はああぁ…っ!」
ちょうど中腰になったところで、いいところを刺激されたかがくがくと震わせてその場に崩れた。
「はあ――、はぁ――っ…」

今、俺の目の前で、イった…のか?

バイトくんは震える手で小銭を掴み、ゆるゆると顔を上げ潤んだ目を俺に向けると、拾った小銭を差し出した。
「お待た…して、すみませ…っ、…どうぞ…」
小銭をどうにか受け取るが、視線はバイトくんの顔から外すことができない。
「ま、また来ます…」
頬を染めた長身の男が受け取った小銭を胸元で握る。
新たな顧客が誕生した瞬間だった。


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