エレリ本

□誕生日を迎えた日の長い夜 エレリ
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夜中、ベッドのわきに腰を下ろし一人シコってる背中に、ひたり足を沿わせた。
びくっと大きく体を揺らし、右手が止まる。
服の裾から足を入れ、つうと拇指で背筋を辿ると、俺は言った。

「なあ、もう俺ンこと抱いてくんねえの?そんな手なんかより、俺の方が何倍も気持ちよくさせられる」
「リヴァイ…」
「まだ精液は出ねえが、ケツでイくことはできるぞ。…なあ。俺んこと気持ちよくしてくんねえの?」
「…ダメですよリヴァイさん。あなたまだ10歳なんですから」
ようやく言いましたね、こちらを向いたエレンはそんな顔をしていた。

俺は知っていた。
エレンが、俺が物心つく前から俺の寝顔でシコってたことを。
エレンは知っていた。
俺が最近エレンのちんこでケツを弄りはじめたことを。


「10になるまで待った」
「俺を犯罪者にしたいんですか?弟で、15も歳の離れた男の子に手を出せと?昔はそうでなくても、今は倫理やら世の中が黙っててくれないんですよ」
どの口が言いやがる。
「黙ってればいいだろ?」
「ダメです」
「じゃあ、いつまで待てばいい」
「俺は25年待ちました」
「…あと5年待てと?」
エレンは口元だけで笑うと俺の額にキスをした。
「お休みリヴァイ」

俺はこんなので騙されてやらない。
かつての俺たちはもっとどろどろで脳が痺れるようなキスを交わしていたはずだ。
わずかにむっとした顔でいると、口の端にひとつキスを追加された。
これだって全然足りない。
俺はエレンに背を向けるように寝返りを打ち、横目で催促をする。
「ぎゅってしたら寝る」
そうすればいつも後ろから抱きしめて寝かしつけてくれる。
昔の俺にはできなかった、今の俺の特権のひとつだった。



幼い体はすぐにとろとろと眠りが訪れるけれど、完全に寝入らないうちにそれは始まる。
衣擦れの音と、軽いベッドの揺れ。
ひそめられた声と熱い息が首筋やうなじにかかり、時折、たぶん先っぽが腰にあたる。
次第に抱きしめる腕に力がこもり、ひときわ強く引き寄せられた後、拘束が解ける。
極々小さく、リヴァイさんと呼ぶと、背後の動きが緩やかなものに変わった。
きっと俺を抱きしめたその手に、すべてを出し切っているのだ。
処理し終えたのち、リヴァイごめんと呟いて、再び俺を抱き込んで眠るのだった。

これで秘密にしてるというには無理がある。
毎晩のようにこんなことされれば起きない方がおかしいし、意識するなという方がおかしい。
記憶があろうが、なかろうがだ。
エレンは俺に擦りつけることはしないし、性的な意図をもって触れてくることもない。
そこがエレンのギリギリのラインなのだと知る。
だからこそ俺が崩すしかなかった。


首筋にかかる吐息が細く長く規則的になるのを待ってから、俺は指に唾液を絡め、後ろ手で穴をほぐし始める。
もう片方の手はエレンの股間をこすこすとさすり、先走りがにじむまで大きくさせていく。
2度目だとは思えないほど硬く勃ちあがるそれを取り出し、俺の尻で先走りを鬼頭部全体になじませる。
そうしてゆっくりと埋めていけば、幼い尻穴は吸いつくように飲み込んでいった。

はじめてそうした、たった一度だけ、含ませた陰茎を突き上げたられたことがある。
驚きと歓喜のあまり声を出してしまい、すぐにやんでしまったが、寝ぼけていたのか我慢ならなかったのか、後にも先にもあの一度きりだ。
エレンの腰は以降、ハメている間『まったく微動だにしなくなった』ので、壁に手をついて腰を押し出せば、力を込めた分がちゃんと納まる。
これを協力と呼ぶかはわからないが、葛藤の末の結論なのだろう。
「ふっ、ふっ、ん、ふ…」
言葉にしたところで何も変わらなかったな、そう思ってくにくにと拡張作業を続けていると、1/3が納まったあたりで腰がひかれ、ずるりと陰茎が抜けた。
「…ぁ…」
弱いところを掠めて思わず声がにじむ。

振り返ると、エレンは仰向けに寝返りを打ったようだった。
ぽっかりと空いた穴は先の刺激を忘れられずにひくひくしている。
一瞬止まるべきかと己に問うたが、答えは一つだった。
俺は布団をはぐと、勃ち上がった陰茎を右手でつかみ、穴にあてがいゆっくり腰を落とした。
「は……んぅ」
鬼頭部が入り終えたら、エレンの両脇に手をついて腰をゆする。
こすこすこすこす、カリが前立腺ばかり往復するように小刻みに腰を動かすと、中がきゅうきゅう締まって気持ちいい。
あえて締めつけを緩めて長く感覚を楽しむのが好きだった。
「……っ!はぁ、はぁ、ん…」
徐々に前立腺への当たりが強くなり、イきそうになるギリギリで腰を落とそうとしたところで
───俺はエレンに腰を掴まれた。

「悪い子だね」
「え、えれ…っ」
そのまま奥に突きこまれるかと思いきや、その姿勢のまま固定されて焦る。
「あ、あ、あ、いやだっ!離…ッ」
刺激の箇所をずらそうと暴れるが、かえってそこをぐりぐり刺激しただけになり動けなくなった。
ぎゅうぎゅうと締めつけられたカリが前立腺を深くえぐり、体ががくがく震える。
背筋が反り返り、そうしたいわけでないのに押しつけてしまう。
「あああああっいやああああああっエレっエレンっ」
電流のような強すぎる快楽が全身をめぐり、エレンに助けを求めるが、きつい締めつけに眉をひそめるばかりで取り合うそぶりもない。
「っだめですよ、気持ちいいばかりじゃないってことを知らないと」
あなた毎晩挿れようとするでしょう?そう言ってエレンは波がおさまるまで刺激し続けた。
過ぎる快感にさらされ指先すら動かせないほどの脱力感にぐったりとエレンに身を預けていると、誕生日プレゼントですと言われた。
少しもうれしくなんかない。

「…俺はただ、初めての射精をてめえとのセックスで迎えたいだけだ」
「あんまりかわいいこと言わないでくださいよ」
誘ったつもりが苦笑で返されてしまい、つい口をとがらせてしまう。
「おまえこそ、あれをやめる気はないのか」
「どこかで発散させないと、あなたを襲っちゃいかねませんから」
「…ままならないもんだな」
「全くです。早く大きくなってくださいね」
背徳感が強すぎていつまでたっても手が出せませんよ、だいたい夜遅くまで起きてるから背が伸びないんですよ、なんて言いやがるからまだ大きいままの股間を膝で蹴り上げてやった。
誰のせいだ、誰の!



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