エレリ本

□出勤日のただれた朝 エレリ
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<おまけ:緑色の牛乳の場合>

「オイ、これは俺を試してんのか」
食卓に置かれた抹茶味の牛乳を見て、リヴァイの顔が青ざめた。
「いや、何も含んでませんから。…ふつーに飲んでくださいよ」
そう言って促せば、渋々といったようにテーブルにつく。
あらかた皿の中が片付いたところで、リヴァイは意を決したようにグラスに口をつけた。
「ふ…、んむ…っ」
また何か想定して練習してるんだろうとちらりと目をやると、今までにないくらい必死に飲み込もうとしていた。
赤みのない顔に、ジワリとその目に涙がにじむ。

「ちょ、リヴァイさんどうしたんですか」
「だってこれ、てめえが他のやつから病気もらったとかそういうことだろうが」
てめえのならなんだって飲んでやるよ、目元をぬぐいつつ答えるリヴァイに、その健気さに思わずきゅうとなる。
「ああもう!俺が浮気するとかありえないですから!」
今も昔も欲しいのはあなただけですよ、そう言ってぎゅうと抱きしめ、あなたも俺だけにしてくださいねと囁いた。
「俺だっててめえだけだ」
ようやく赤みのさした頬に、甘さの残る唇にキスを送る。
はむはむと幼い舌で答えるリヴァイに、ああ今日も止められないなあと独りごちるのだった。


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