エレリ本

□休日は映画館で エレリ
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エレンはどうやら俺に潮を吹かせるのが好きらしい。
その間のナカの感触と、俺が恥ずかしそうにするのがいいようだ。
今日も風呂場で洗いっこしてそのまま致し、ガツガツ前立腺を責められて潮噴きしている俺のナカをさらに好き放題しやがった。
涙をこぼしながらがくがく震える俺を抱え、エレンがぽつりとつぶやく。
「…なかなか出ませんね」
精液のことだと、その時の俺は疑ってもいなかった。


初エッチが叶った日から2度目の休日。
エレンから映画を見に行きましょう、と誘われた。
外でご飯を食べて、映画を見る。
これまでにも何度か同じような経験はしたが、エッチしてからは初めてのことで、ちゃんとデートという気がしてうれしい。
エレンのおすすめだという創作イタリアンの店に入り、ボックス席に2人並んで食べさせあいっこをする。
内緒だよとエレンの頼んだビールを少しもらって、知らない間にオーダーされていたメロンソーダフロートに舌鼓を打つ。
店を出たら手を引いてもらう風を装って手をつないで、雑貨屋を冷かしつつ映画館に向かった。
あーだこーだ言いながら何を見るか決めて、開演時間まで間もない映画へジュース片手に滑り込んだ。
スクリーンに予告が流れる中、席を外すエレンを見送りながら、ところどころで向けられた表情とか触れ方とか、今にもキスしてしまいそうな距離感だとかをを思い出して顔が熱くなる。
兄弟の休日というより完全に恋人のそれに昇格した1日だった。

ただ外に出ると好きな時にキスやそれ以上をすることができない。
この暗い空間なら、最後列な上、周辺に誰もいないこの席ならあるいはと考え、変に常識的なところのあるエレンをどうやって陥落させたものかと頭をひねった。


エレンを迎えちょうど始まった映画は、眉毛に特徴のあるくまのぬいぐるみの物語だった。
はじめは子供向けだと捉えてバカにしてんのかと思っていたが、ふたを開けてみれば中身がおやじで下品な言葉が飛び出すぬいぐるみで。
…何か俺に含みでもあるのかと小一時間問い詰めたい。
楽しそうに見ているエレンを横目に、俺は買ってもらったコーラに口をつけた。
こっち見ろと念を送るが、気づいているのかいないのか、エレンは画面のくまに夢中だ。
キスくらいと思うのにそれもできそうになく、口さみしくてストローをかしかし噛む。
画面をぼんやり眺めながら中身を1/3ほど飲んだところで、手すりに置いていた手を取られた。
顔を上げると、エレンから掠め取るようなキスをされた。

「キス待ち顔だったので。違った?」
「…違わない」
エレンの指をきゅっと握れば、嬉しそうに笑う。
おいでと示され、俺はカップをホルダーに預けてエレンの膝に飛び乗った。
首にぎゅうとしがみつき、額同士を合わせる。
画面が見えないとか、そういう意味で呼んだんじゃないよとか返ってくるかとそのままの姿勢で少し待ってみたが、エレンは目元を緩めるだけで何も言わない。
押しつけるように唇を合わせ、薄く開いた隙間から舌を伸ばした。
顔を傾け、より深く口づけてくちゅくちゅと舌を絡める。
舌が擦れる度、小さな性器にじんと熱がこもった。
怒られるのを承知で、だが叶うなら今すぐにでも犯してほしくて、キスのさなか腰を揺らめかせて股間を押しつける。
ちゅ、と音を立てて唇を離し、エレンはしたいの?と俺に問うた。
頷けば、今度はここで?と返ってくる。
「ダメか?…なあ…」
そう言いながら、俺は煽るようにゆっくりと腰を回す。
刺激に、熱のこもった吐息が零れるが、薄く笑うばかりで一向に返事はない。

「…仕掛けたのはてめえだろ」
「煽ったのは、あなたですよ」
咎めるように請えばエレンは口の端を上げ、噛みつくように唇を塞ぐと服の上から乳首を押し潰した。
「ふぅッ……んっ!…ン…」
ひとしきり口腔内をむさぼられた後、荒く息をつく俺を尻目に冷やかに言い放つ。
「声を我慢できたら、挿れてあげますよ?」

体をつなげてからエッチは家でしかしていない。
声を我慢するのは久しぶりのことで正直あまり自信もなかったが、あのエレンがここでしてくれるのというのだ。
「……ガマンする…」
それ以外の答えなんてあるはずがなかった。


「俺の、大きくしてくれる?」
そう言って陰茎を取り出すエレンの膝から静かに降りた。
まるで舌なめずりでもしそうに細められる視線がエロくて、堪らず俺も下着を下ろしお尻を晒す。
唾液を絡めた指で穴を弄り、半勃ちのエレンを口に含んだ。
鬼頭部に舌を這わせ、零れた唾液をなじませるように幹を扱いていく。
音を立てないようにといずれもゆっくりとした動きではあったが、シチュエーションによるものかエレンのものはすぐに大きくなった。

「…まだ?」
上気した吐息交じりの俺を求める声にぞくりとなる。
ぬくぬくと唇と指を前後させ、ある程度広がったところで前の椅子に手をついて尻を向けた。
自分で入れるように言われ、前にせり出したそれをあてがい腰を押しつけていく。
「…っぁあ、はぁぁ…」
飲み込み広がっていく感覚に膝を震わせながら、待ち望んだ快感を甘受する。
きゅうきゅうと絡みついてもなお動かないエレンに焦れて腰を振れば、体勢的にあまり大きな動きはできなくても疼くそこを慰めるには十分だったようだ。
気持ちよさに涙が滲み、切なくひそめた先の床へと雫が落ちた。
「んっ、ん…っ」
次第にゆるゆると動き始めたエレンの腰つきに翻弄されそうで、片手で口元を覆う。
溢れた腸液のくちゅくちゅ言う音と漏れ出る喘ぎが周りに聞かれているように思えて、顔があげられない。
何も言わずに後ろを穿ち続けるエレンが、誰にも悟られていない事を示す唯一の指針だった。
その動きがふと止みヒヤリとしたところで服の上から胸元を撫でられ、指先が突起に触れて腰が砕けそうになる。

ぐいと力の込められたその腕を支えのためかと思ったが、そのまま抱え上げられて陰茎の上にずぶりと落とされた。
「ぁ…っ!!……ふ、ぅう゛っ…っ」
自重も加わり深々と抉られ、突然の強い刺激に堪え切れずに絶頂を迎えてしまう。
明滅する視界の中、上げかけた悲鳴だけはどうにか手の中に押しとどめた。
「…よく堪えましたね」
エレンはこんな場所でもいつも通り、快感に震える俺への責め苦をやめない。
空イきしたばかりで敏感になっている体を弄り、自分の体も満足に支えられずに背を預ける俺を蹂躙していく。
「…っ!……ッ」
がくがくと揺すぶられれば、まだ薄い胸板が魚のように跳ねた。
エレンの熱い吐息が鼓膜を震わし、興奮しているのが俺だけでないことを示す。
ゆるりとエレンを振り返れば瞼の上に唇を落とされた。
お願いも聞いてもらって、人目もはばからずにどろどろに甘やかされる。
声が出せないことで身の内に熱がくすぶり、たまらなく気持ちよかった。


絶頂の余韻が落ち着いた頃、突かれるたびになじみのある感覚がじわじわとこみ上げ始めた。
徐々に増していくその感覚に俺は焦り、後ろ手でエレンの腰を掴んだ。
「えれん、エレ…」
「どうしました?」
「……で、出そう………っ」
何が、と問われてすぐには答えられなかった。
「潮ですか?…精液?」
注挿は止まず、ゆるゆると腰を穿ちながらの問いに必死で首を振る。
「じゃあ、何?」
そんなこと言えるはずもなくて、少しでも伝わるように、感覚を紛らわせるようにと性器をぎゅうと握った。
「リヴァイさん、ちゃんと言わないと伝わりませんよ」
あくまでも俺に言わせようとするエレンは、その部分の真裏を刺激するかのように腰を回していく。
「ね?俺、あなたの言葉で聞きたいです」
パンパンに膨れ上がった性器の先端をゆるりとなぞられ、握った性器の先からそれが今にも飛び出しそうになり慌てて制す。
「ゃっ…!言う、いうから…」
ようやく止んだ責め苦に息をつく間もなく、俺の目を見て言うんですよ、と顎を取られた。
やさしい表情の傍ら、スクリーンの明かりを反射した虹彩が飢えた獣のように光る。
ゾクゾクと這い上る高揚感が俺を支配し、ひどい羞恥を覚えながらも視線は外せず唇を開いた。

「……あ…っ、………お、……ぉし…………」
顔に熱が溜まりすぎてぼんやりとする視界が『言って』という形に動くエレンの唇をとらえ、促されるようにその言葉を口にした。
「…っ、…………………おしっ…こ……」
獣の目のまま笑んだエレンの唇が俺のそれと合わさり、舌を絡められて思考が蕩けそうになる。
「ん、んぅ…」
ご褒美のつもりかもしれないが今はだめだ。
蕩けた頭と体では自制が利かなくなってしまう。
緩く首を振り、惜しみながらもぴちゅ、と音を立てて唇を離す。
「っは…、えれ…、トイレ、トイレに…」
行かせてほしいと請えば途中で遮られ、大丈夫ですよ、とまったく安心できない答えが返ってくる。
「リヴァイさんならここでシたいって言うんじゃないかなと思って、ちゃんと準備しておいたんです」
ほら、と見せられたのは、エレンが購入したホットコーヒーの紙コップだった。
中身はすでになく、代わりにトイレットペーパーが敷き詰められていた。
「大きめのカップにしましたし、消音もばっちりですから、何だってどれだけでも出せちゃいますよ?」

後になって冷静に振り返ればあれもこれもすべてエレンの計画の内だとわかるが、その時の俺にそんな余裕などあるはずもなく。
いやだいやだと首を振る俺へ、止まっていた注挿が再開されていく。
「ひぅ、…うぁ……」
視界の端にじわりと滲むのは、涙か掴んだ先のそれか。
「こんな限界まで張りつめちゃって。途中で洩らしちゃう方が恥ずかしいですよ」
ね、だから出しちゃいましょ。
耳元に吐息ごと注ぎ込まれて頭の芯までどろどろに溶かされる。
ぬちぬちと弱いところを突かれて理性が緩む。
──葛藤の末、結局俺は肯首した。


震える足を床におろし、さっきと同じように前の椅子に手をつく。
エレンは覆いかぶさって後ろを緩く穿ちながら、ちんこの先にカップをあてた。
ゆっくりと指を引きはがせば、しょろろと特有の音を立ててぬるい液体が滑り降りていく。
「あ…っ!ふあ、ふやぁあ…っ」
我慢に我慢を重ねたあとの解放感と、言い知れぬ背徳感で声が漏れた。
ちょうど観客の笑い声でかき消されたが、いつ途切れるとも知れないそれに賭ける手はない。
「リヴァイ、声…」
「あ、ぁう、…むぐぅ…んん゛…っ」
慌てて押えるも、囁かれた先の耳穴をぴちゃぺちゃと舐められ、ちゃんと声が抑えられているのかわからなくなる。
自分の声、いくつかの卑猥な水音、スクリーンの音声に観客のさざめき。
どれが一番大きな音かわからず、恐怖にか涙腺がさらに緩んだ。
「すごいね…おしっこも、気持ちいいの?」
そんなことないと否定するが、心とは裏腹にナカがきゅんきゅん締まる。
背後からの緩い突き上げに押し出されるように、しょろろとぽとぽと水滴が垂れた。

「っヤバ…」
小さなつぶやきののち背後の動きがぴたりと止む。
「…ごめんね、気づかれたみたい」
耳に吹き込まれる言葉の意図を理解したあとですら、抑えられない液体は漏れ続けた。
耳への刺激がないせいか、水音がひどく大きく響く。
あらためて普通ならあり得ない、恥ずかしいことをさせられているのだと自覚し、羞恥に震えた。
「ぅ…も、やだ…もぅやだ、えれん……」
ぐすぐすと泣き始めた俺に、エレンがキスを落としてあやしていく。
「ごめん、ごめんねリヴァイ。ちょっといたずらしたくなっただけだから。誰も気づいてないから、大丈夫だから」
本当のところはどうだかわからない。
だが俺はエレンの言葉に縋った。

先端に滲む水滴すらなくなってからカップが外され、ゆっくりと向かい合わせになる。
そのあと映画が終わるまでの間、甘いキスを交わしお互いだけを見て穏やかなセックスに興じた。
何度か吐精を促したが最後までエレンがイくことはなく、ただひたすらに優しい快楽だけを与えられる。
おやじなクマの結末がどうなったか知らないが、俺はエレンに抱え上げられて映画館を出た。

「ほんとはね、ナカにたっぷり出してこぼさないように歩いてもらおうと思ってたんだよ」
でも今日はひどいことしちゃったから、それはやめときますね。
帰りがけにこそりと明かされた内容の嗜虐性にぞくぞくした。
足首まで精液を滴らせながら手を引かれ歩く様が浮かぶ。
今の小さな体では即漏れ必至だが、もう少し大きくなったらやってもらおう。
そんな風に考えてしまう俺はなんだかんだで釣り合いが取れている。
ただなエレンよ、ちゃんと責任は取れ。



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