エレリ本

□エセ忠犬わんこ
2ページ/2ページ



先生は小さくため息をつくと、降ろしたはずの手で俺の後ろ髪を引っ張った。
「イッ…つ!…せんせえ」
容赦のない力加減に思わずのけぞる。
「俺はなエレン、お前の脳内でどんなふうになってるか知らんが、お前のようなガキに好き勝手されて喜ぶ趣味はねえ」
「まあここまで頑張った褒美として、特別に一回だけキスさせてやるよ」
「うれしいだろう?」
どすの利いた声で凄まれてるんだけど、睨むというより流し目な感じが堪りません!
「はいっ…!」
そのまま噛みつくようにキスされる。
先生からキスしてもらえるなんて最高に幸せです!!
軽く一瞬だけだと思ってたから、唇離されそうになったら逆襲する気満々でうなじに手を回したのに、すっごいディープなのかまされて毒気抜かれました。
やばいエロすぎる腰砕け…ていうか今のでイッちゃいましたすみません。

「満足したか?」
「ひゃい…はい」
「エレンよ、なんって顔だそりゃ」
すみません。とろっとろになっている自覚はあります。
でもそれもこれも全部先生が悪い。
エロテク完備なんてスペック高すぎですよ。
でも負けてばかりもいられないんで、覚悟してくださいね。
「あの、頑張って戻しますので、さっきの続きを」
「やらんでいい萎えた。それより課題やれ。あともうご褒美制はなしだ」
「え!そんな、せんせえ…」

・・・・

がんばれませんよおぉとかわめいてうるさかったので、腹に一発繰り出したらおとなしく課題に向き直った。
教育的指導だ。
忠犬だと甘やしてやってりゃ、とんだ狼だったな。
蛇が出ると分かっていて藪をつつくことはないだろう。
しばらく自宅出入り禁止令も出すか。
待てばかりではまた暴走しかねないから代わりのエサも…と思考を巡らせたところで、気になって集中できそうもない。
「チッ」
おもむろに立ち上がると、エレンが小さくびくついたようだった。
…そんなに痛くした覚えはないんだがな。

「風呂に入ってくる。てめえはそのページ終わらせとけ」
「…はい…」
顔を赤らめるな。
「おい、余計な想像はするなよ。終わってなかったらわかってんだろうな」
「!はいッがんばります!」
なぜほほを染める。
考えるのも面倒なので風呂場に向かう。
べたべた汚れた下着と全身を隅々まで洗うためだ。
今さら弁明がいるか?

さっぱりして風呂から上がってみれば、脱衣籠にぶち込んだはずのジーンズがなくなっていた。
さらに向かいのトイレから怪しげな声も聞こてくえる。
「あッ…せんせ、見るだけなんてひどいです…それ、エロすぎ…出ますッ!!一緒に!ッん!くっあ、あッ…」
毎度のことではあるが、とうとう声を抑えることもしなくなったか。
課題も進んでなかったようなので、トイレから出てきたそいつをまとめた荷物と一緒に外に放り出してやった。
これが俺の仕置きだが、何か問題があるか?

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ