リヴァエレ本

□このあと無茶苦茶○○した リヴァエレ
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「でかっ!太っ!…ずいぶん大きいんですね」
「食うか」
「リヴァイさんてば。もう、おなかいっぱいですよ」

ちなみにこれは店先に並ぶソーセージについての会話だ。
含みはないと思うのに、なんだろうこの卑猥な言葉の響きは。
そうだなと軽く相槌を打ちながら、俺は脳内メモリーに書き込んでいった。
今ほど仏頂面でよかったと感じたことはない。



俺たちは夕方までまったりと部屋で過ごし、夕飯を食いに出た帰りに昨日行くはずだった場所へと赴いていた。
電飾でこれでもかと彩られたツリーにエレンは目を丸くし、俺に満面の笑みを向ける。

俺にはてめえのその笑顔の方がまぶしい。
とりあえず感じたままを伝え、真っ赤に熟れて俯くエレンの反応を楽しんだ。

音楽に合わせてくるくると色味を変えるそれを一通り眺めたあと、連れ立ってクリスマスマーケットの一角へと足を向ける。
移動式の遊園地やらオーナメントを売る雑貨屋やらをひやかしていくのだが、色気よりは食い気、花を愛でるよりはまだ団子に目がいく年頃なんだろう。
メシを食ったばかりだというのに、エレンが覗くのはさっきから食い物の店ばかりだ。


「うわ、ながっ!あれなんですか?…マシュマロ?!あんな長いの??」
今度は色とりどりの菓子が並んだショーケースに目を奪われ、マシュマロの隣にずらっと並ぶ正体不明の物体に首を傾げた。
細長いそれは何味かが示されているだけでどういった菓子かわからない。

「食ってみればいいだろう、菓子なら何日かもつだろうしな。…おい、ケース内の全部1つずつくれ」
「そ、そんなにでかいのいっぱい食いきれませんよ。リヴァイさん、このお試しパックのやつにしましょう」
全種類が10pほどにカットされた包みを手に取り、半分こしましょうね、との言葉にうなずいた。

甘い匂いにつられてグリューワインも購入し、小さな立食用のテーブルにつく。
ジュースみたいなもんだと渡したワインに恐る恐る口をつけ、一口含んだとたんぱあっと顔が明るくなった。
「うま!お酒って苦手でしたけど、これすっげうまいです!」
それにあったかい、と両手でカップを捧げ持つエレンは究極にかわいい。

ああくそっ、このままその唇を奪ってやりてえ。


ひとり悶々としている俺の脳内など知りもしないエレンは、つまみにと買ったばかりの包みを開け、そのうちの一本を袋の中で半分にちぎると袋側を俺によこした。
自身は裸の方にかじりつき感触を確かめるように噛みしめていく。
「ハイチュウのような、ちょっと違うような?これもおいしいですよ」
にこりと笑うエレンをじっと見つめる。

俺は菓子を持つエレンの手をひきよせると、歯型の残るそれに齧りついた。
「りっリヴァ、イさ…」
「こっちの方がうまそうだった」
噛みごたえのある菓子を口内で転がし、代わりにと俺の分の菓子を突き込んでやった。
「んぐ…っ」
じわじわと赤みを増す頬がやがてもぐもぐと動き、全てのみ込むのを待ってゆっくりとその手を離してやる。


エレンは唇をきゅうと引き結んだあと、照れ隠しにか再びこくこくとワインを傾けた。
ふうと息をついて腕が下ろされ、テーブルの上に白と赤のワインの入った同じカップが並ぶ。
今年、ここに2人で来れたことを示す記念のカップ。


「…初めてのペアですね」
ふと漏れ出たような響きに、頬を染めて少しはにかむ表情にぐっときた。
思わずキスしそうになって視線を逸らし、俺も手の中のワインをぐいと煽る。
その他大勢も同じものを持っているのは少ししゃくだが、初めての揃いの品とするならこれもありかもしれねえ。

傍らのエレンの指にすいと手を伸ばす。
上から握りこむと、その身をびくりと震わせた。

「…これだけと言わず、もっといろいろ増やしてくぞ。どうせなら俺と2人だけの…」
ゆっくりと言葉を紡ぎ、つないだ手を辿って、照れて真っ赤になっているであろう顔に視線を向けた。
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