企画小説置き場

□ひとりでできるもん
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「リヴァイ、はいコレ」
某薬局の紙袋に包まれた箱のようなものを満面の笑みで渡され、俺は少々面食らった。
「…なんか頼んでた?」
「別に」
薬局で見つけて、便利そうだと買ってみたのだという。
いそいそと開封して固まった。
「エレン、これは…」
「ん?イチジク浣腸」
何かの間違いかと薄い期待を胸に聞いてみると、当たり前のように返してきやがった。

これは何か?てめえのケツの穴くせえんだよ、ちゃんと洗ってんのか、突っ込む方の身にもなってみろ…という遠回しな表現だったりするのか?
…俺なりに、ちゃんと洗ってるんだが…

紙袋を抱えたまま呆然と立ち尽くしていると、慌てたようにエレンからフォローが入った。
「いつもリヴァイ、お湯たくさん入れてがんばってくれてるだろ?それだと回数も少なくてすむし、楽にできるんじゃないかと思ったんだよ」
まだ少し自分を取り戻せてなかったが、これはエレンの厚意だと自分に言い聞かせる。
「俺手伝うから、一緒にやってみよ」
だが次に笑顔で放たれた言葉は、およそ俺の理解の範疇を超えていた。
……は?
幻聴?
俺はてめえにクソひねりだしてるとこ見せる趣味はねえぞ…

「だってやり方わかんないでしょ?」
「…説明書見ればわかる」
「危険性はゼロじゃないからね」
「…入れるとこまで?」
「出すとこまでだよ」
再び時が止まったように固まる俺を前にして、エレンはさらに言いつのる。
「リヴァイが大事だから、渡すものの責任は果たさせて」
ね?と頬をいとおしげに撫でられ、強く出れなくなる。
くそが…こいつは昔から変なところで俺の操縦がうまいのだ。

心底嫌だったがしぶしぶ了承すると、エレンはいそいそとソファにビニールシートを敷き、横になるよう指示をした。
いや、ちょっと待て。
「ふつう、風呂とかトイレとかだろう」
「ノズルで傷つけちゃうといけないから、横になってするんだよ」
「エレン、悪いがこれは返品だ。毎回てめえの手を借りるとかねえだろ、考え直せ」
「コツさえつかめば、一人でできるようになるって。外でやるときにも便利らしいよ」

外で。
この言葉に俺はだいぶぐらついた。
あのエレンが外でセックスに興じてくれるとか…ありえないと思っていたからだ。
「わかった、やる」
俺は潔く下を全部脱ぎ、言われた通りに横たわった。
ちょうどエレンに背を向け、尻を突き出す格好だ。
待っている間なんとなく落ち着かず、ごそごそと箱を空けているエレンを肩越しに振り返った。

「なあ…どこでこんな知識つけてくんだ」
「うーん、ネットとかいろいろかなあ」
「…俺のケータイじゃそんなの出てこねえぞ」
「当たり前でしょ!チャイルドロックかけてるんです。でないとあなた、変なサイトばかり見るでしょ」
それで見れねえ見れねえ注意書きばっか出てくんのか。
小さく舌打ちすると、やめてくださいよホントにと返ってきた。

薄いピンク色の容器を手にしたエレンが俺の尻たぶを広げる。
少しひやりとしたノズルが挿入され、さらに冷たい液体がケツの中に押し出された。
「…っ、つめたい…」
「温めて使ってもいいんだけど、外だとそういうわけにはいかないからね。何事も経験ですよ。ほら、力抜いて」

心なしか楽しそうなのは気のせいじゃねえよな。
俺は腹に力を入れないよう、前を向いて入れ終わるのをじっと待った。
エレンの言う通り、ノズルが引き抜かれる頃になっても普段している準備より圧迫感はないようだった。
冷たさによる違和感は否めないが、外でするため、とぐっと我慢する。
「どのくらい待つんだ?」
「長くても10分だって。ちゃんと時間見ててあげるね」
「近くなったらトイレに行くからな。こんなとこで洩らしたくねえ」
そんなことになったら俺の中の何かが崩壊する。

「そうだね…」
ごそごそと物音がしたのを、てっきり片づけている音だろうと思って油断していた。
エレンの腕が伸び、うつぶせにされてケツに熱いものがあてられるまで。
慣れたその感触に嫌な汗が伝う。
いやしかしまさかと振りかえると、下を脱いだエレンがゴムつきの陰茎を挿れようとするところだった。
「栓していてあげるね」
「え、えれっ待っ!…うあ…っ」
ゴムの潤滑油の力を借りて狭い穴をこじ開けられる。
陰茎だけでいつも腹の中がいっぱいになるところを、浣腸液がさらに奥まで逆行して苦しい。
「はらが…っ」
逃げることも叶わず、俺は必死に耐えた。
奥まで入ったよと言われた時、俺は手も足もぶるぶる震えて姿勢を保つことすらできなかった。
このまま待つのか?
できるわけねえだろ…っ。
「エレン…むりだ…」
「漏らしたくないんでしょ?ここで抜いたら出ちゃうよ」
んなことわかってる。
「…トイレで…」
「だめ、すぐ出したら効果がないでしょ」
このまま突いてあげるから。
そう言ってあろうことかエレンは注挿を開始した。
「あっ…う…」
出し入れされるたびに中の液体が動き、まるで液体にまで犯されているようだった。
しかもエレンがカリ首ぎりぎりまで抜くせいで毎回漏れるんじゃないかと冷や冷やさせられる。
ぎゅうぎゅうに締めつけた根元を割り開いて、注挿は徐々に速度を増していった。
「んっんっ、く…っぅ、ん…っ」
「気持ちよくなってきちゃった?」
覗き込まれた顔はきっとトロトロだったに違いない。
嬉しそうなエレンの顔が視界の端に映った。



だが気持ちいいと感じたのは最初の数分だけで、腹がぐるぐる言い出してからは苦しさしかなかった。
「えれ、んっ……トイレ…っ」
「まだっ5分も、たってないよ?」
無情な言葉に涙が溢れる。
「えれんっ!」

必死の懇願に重い腰を上げたエレンだったが、トイレに向かった先でもタンクに手をつかされ、がつがつとナカを穿たれた。
「いや、あぁっやあぁああっ!」
苦しいのに奥を突かれるのが気持ちよくておかしくなりそうだった。
激しい注挿の後、最奥に叩きつけられる。
「あっ!…ふあぁ……っ」
ゴム越しにエレンが達したのを感じ取り軽くイッた後、腰を下ろされながらずるりと陰茎が抜き取られた。
ようやく解放された尻穴から、クソを伴った浣腸液がぼたぼたと落ちる。
イった直後のその刺激に俺はまた達し、身を逸らして長い絶頂を味わっていた。

だが、ひくひくと開閉する尻穴から零れる液体は、時間がたっても尽きない。
「うーん…なかなか止まんないねえ。もう一個しとく?」
エレンにもたれてぐったりと脱力している俺に、とんでもない提示をしやがる。
生来Sっ気のあるエレンだが、この状態の俺にもう一個とか…ちょっとひどい。
「なあ、俺何か怒られるようなことしたか…」
「ん?…リヴァイがそう思うならそうなんじゃない?」
にこりと笑顔で返す言葉の裏には、何らかの意図が感じられなくもない。

エレンが寝てる間に、うなじにそれと分かるようにキスマークつけてることか?
エレンのケータイ履歴の女の番号メモって非通知でいやがらせの電話かけまくったことか?
それともあれか?
エレンのカメラに自撮りの自慰動画ぶっこんどいたことか。
…心当たりが多すぎて判断がつかねえ。
とりあえず墓穴は堀りたくなかったので、俺は黙すに徹することにした。



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