その他SS

□ジャンの誕生日用に書いたもの
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エレジャンな2人。
・・・・・・・

「おい、ジャン」
「うっせ、ついてくんな」
「すぐに朝飯だぞ」
んなことわかってる、その後休みなく内地に出立だってこともな。
だからこそその前に報告を済ませてしまいたかったのに、こいつのせいで心穏やかな時間はすごせそうにない。
イライラしながら先を急ぐが、後ろから聞こえる足音は依然止む気配はなかった。

「〜〜〜っ!だから!ついてくんなっつってんだろーが、人の話聞けよ!」
振り返ってがなり立てるが、奴は何でもないように返す。
「マルコんとこいくんだろ?俺も行く」
「何しにだよ……別に命日でも何でもねえぞ」
訝しんで問えばふうとため息をつかれた。
「おまえが何かあるとマルコんとこに報告に行くのなんざお見通しだっての。今日誕生日なんだろ?おめでと」
とても祝われてると思えねえ軽い言葉に何と答えていいかわからず、おうとだけ返す。
「…マルコんとこ行って何する気だよ」
「おまえといっしょだ。おまえはあれだろ?この歳まで生きてこれたぜとかそんな系?」
「…うっせえよ」
てめえこそ何言うつもりだと問い返せば、そいつはニヤリと笑んだ。
「今日までジャンを無事に過ごさせてくれてありがとう、とか?」
……うさん臭すぎる。
こいつが隣で何を報告しようが、俺のやることは変わらねえ。
さっさと行って戻ろう。
げんなりして一人足を進めれば、少し後方から声がかかる。
まだなんかあんのかと振り返れば少しだけ真面目な顔をした、よく通るそいつの声が耳に届いた。

「あのアルミンがてめえを信頼してんだ。マルコもそうだった。まあ普段は衝突ばっかしてるけど、俺だっててめえのこと頼りにしてんだぜ?」
「は…はぁ?!」
一拍置いて、ぐわぁっとすごい勢いで顔が赤く染まったのが自分でもわかった。
「マジでっ…何言ってんだてめ…っ」
顔に熱がたまるってこういうことか。
くそ、耳まで熱くなってやがる。
顔を見ていられなくて、顔を隠して視線を外す。
こいつのたまに爆弾落としてくるとこ、ホント勘弁してほしい。

じわじわたまる熱に対処しきれないでいると、奴が俺の手を取った。
「ほら、早くしねえとホントに朝飯に間に合わなくなるぞ」
ぐいぐい引かれて慌てて足を踏み出す。
こんな顔でマルコんとこいくなんて冗談じゃねえ。
つか、さ、さらっと手えつないでんじゃねえよ…っ!



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