テラフォーマーズ

□邂逅
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生きることを望むな、
我が使命、オロチ討伐なり  ---------


あれから、何年過ぎただろうか、
私は、オロチ討伐を生まれながらの使命として今まで生きてきた。

しかし、オロチは無事封印したものの私は生き残り、何をしていいかわからなくなった。

そんな自暴自棄になっていたとき、アネックス計画について知った。

私としては、ただ、第2のオロチの代わりになるもの。そして、死に場所を求めていただけなのかもしれない。


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乾「主よ、ぼっとしてどうした。体調でも優れぬか?」

水無月「いや、ただ、考え事をしていただけだ。」

こいつは、私の式神の乾晴嵐
もともと、どこかの山神だったらしいが恨みによって恐神となりそうだったのを私が封印しようとしたのだが、なぜか、私の式神として側にいるようになった。」
水無月「ただ、アメリカになるとさすがに
体にこたえるところがあるな。日本とはまったくちがう」

乾「それは、仕方がないです。火星になったらどうなるやら。

俺は、今から心配です。」

水無月「式神の貴様が今からそれでどうする。火星には例のブツがゴロゴロいるからな」

乾「いや、俺も日本で見たことありますが、あれが人型とかきしょすぎます。」

水無月「それを駆除するのが我々の仕事だ」

そんな会話をしていると、向こう側から襟を口元まで隠した白人の男が歩いてきた。

アドルフ「安倍水無月だな。スケジュール
は整っているか。」

水無月「心配ご無用。管理は正確にしている。ところであんたは、誰なんだ
。」

アドルフ「アドルフ・ラインハルト、第5班
班長だ。そいつも船員か?」

水無月「違う、こいつは私の式神だ。まぁ
呪術のひとつだ。戻すときは、すっと紙に戻る。」
アドルフ「面白い術を使うのだな」

水無月「元は、陰陽師だからな。ところで他に何か用があったんじゃあないのか。」

アドルフ「艦長がお呼びだ」

水無月「わかった」


艦長室

水無月「失礼します。安倍です。」

小町「入りたまえ」

小町「いや、早かったな。調子の方がどうだ。」

水無月「まずまずですね」

小町「そうか、で、本題だが、君の所属する班
が決まったよ。
第1班 俺の班だ。補佐としてのポストだ。
よろしく頼む。」

水無月「そうですか、わかりました。
もうすぐで出発ですね。」

小町「水無月ちゃん、まだ、君は死に場所を求めるつもりか。」
水無月「はい、私はオロチとともに死すという役目を果たせなかったところですでに生ける屍なのです。

幼い頃からオロチ討伐のため、毎日修行を積んできました。300万年前の祖先も同じです。

そんな私が普通の生活をするなんて無理な話なんです。だから私はここに来た。
これだけは絶対に変わりません。
では、失礼します。」

そう言ってすぐに執務室から出た。

後に残された部屋で小町はつぶやいた。

小町「そこが心配なんだよ。」






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こうしてアネックス計画の実行の日は近づき、ついに火星に出発となった。
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