カレイドイヴ
□嵐の予感
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ところ変わって翼SIDE
翼「はぁ、思ったより、長引いちゃった。早く帰らないと。」
そうして、私は小走りになる。最近、この近辺は傷害事件が多発している。若干怖さを感じながらもしっかりしなきゃと自分に言い聞かせる。
翼「あれっ。あんなところに人が、具合でも悪いのかな?」
ふと前方に頭を垂れて下を向いている男性がいる。具合でも悪いのかと思いつつ近寄る。
翼「あの、大丈夫ですか?」
そっと、問いかけるとその男性はふるふると震えたと思うといきなり奇声をあげて私にとびかかってきた。
私はあまりのことに何もできずに目をつぶる。
すると、がっと何かをたたく音がして何かの倒れる音がした。
恐る恐る、目を開けると目の前にいた男は下に
転がっていて、変わりに息を切らした村瀬さんがいた。
村瀬「葉山さん、大丈夫ですか。」
翼「はいっ。あ、あのっ」
村瀬「あぁ、大丈夫です。当て身をかわしただけですから。」
なんか、普通に言っているけど一撃相手を倒しちゃうってすごい。
翼「あの、村瀬さん、ありがとうございます。」
村瀬「いえ、怪我がなくてよかったです。」
真柴「おーーーい、洋。いきなり走っていかないでよ・・って翼ちゃん?
どうしたの、それに何この状況?」
村瀬「詳しい話は後でします。それより、被疑者を警察に届けます」
といって、倒れた男性を担ぎあげる。村瀬さんって細見のイメージがあるんだけど案外力もちなんだな。
真柴「翼ちゃん大丈夫だった?洋ったら急に走り出すもんだからびっくりしたよ。
でも、翼ちゃんに怪我がなくてよかったよ。」
翼「はいっ。ところでお二人ともどうして外に?」
真柴「あぁ、最近連続で起きている傷害事件の収束のために俺らが駆り出されだんだけど。
その時、翼ちゃんいなかったからね。
ほかのメンバーを二手に分かれて犯人の行方を追っているところだよ。
まぁ、とりあえず、俺らも洋についていくとしよう。」
翼「はいっ。」
海里ちゃんは大丈夫だろうか、と思っていると、真柴さんがそれに気づいたのかウィンクをしながら返してくれる。
真柴「海里ちゃんなら大丈夫だよ。なんたって頼もしい王子様がついているんだし、
それに彼女自身、見た目からはわからないけど、とても強いらしいからね。」
そうだった、海里ちゃんは、元S.E.E.Dだ。あまり、聞いたことがないけど、特殊能力を持つ人しか入れないところにいたんだ。
自分とは次元の違う人物ということに改めて気づかされる。
村瀬「二人とも、遅いですよ、早くいきますよ」
真柴「大丈夫だって、そんな顔しない。君も十分がんばってるよ。」
翼「でも、私今もご迷惑かけちゃったし」
真柴「大丈夫、大丈夫、君たちを育てるのは先輩たる俺たちの役目だからね。」
翼「はい、ありがとうございます。」
そして、急いで、村瀬さんのところに走っていった。
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ブー、ブー、ブー
見ると、月島隊長の端末が鳴っていある。
月島「はい、月島。・・・・・・・
あぁ、わかった。すぐにそちらに向かう、」
海里「何か、あったんですか?」
月島「あぁ、先ほど葉山が犯人と接触したらしい。」