カレイドイヴ
□衝突と告白
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翼「あっ、あの私」
江波「いい。そっとしておけ。」
私が海里ちゃんを追いかけようとしていたところを江波さんに止められる。
江波「ほらほら。報告はここまでだ。
みんな、隊務に戻れ。」
江波さんに押されてみんな何とも言えない表情で自分の机に戻る。
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月島SIDE
気が付いたときには先に手が出てしまっていた。
言葉でああいったが、実際、私が怒ったのはそこではない。
今回も一人で無茶をしようとする海城に腹が立った。
そして、なぜ、私を頼ろうとしない。
自分から遠ざけようとする姿勢に腹が立ったのだ。
どうして、私を頼らない。お前を一人で危険な目にさらせるものか。
江波が他の隊員を戻すと俺に話かけてきた。
江波「おい、月島。お前が手挙げるなんて初めてじゃないのか。
まぁ、おれもあいつがあんな風に話すのは初めてみたけど・・・。
お前、あいつの気持ちも少しは汲んでやれよ。
あいつはお前を危険な状況に巻き込みたくねぇだけだったんだ。
以前、上司から聞いたことがあるんだが、あのSEEDってのは、あまり一目につかないが、実戦はとても厳しいもんらしい。
実際、それで命落とした奴なんてずっといるそうだ。
実際、同じ立場の奴でそんなに危険なんだ。
なら、なおさら普通の人間じゃもっと危険に決まってる。
それをあいつは知っているからお前を巻き込みたくないだけだったんだと俺は思うぜ。」
月島「なら、なおさら、なぜ、私を頼ろうとしない。
そんな状況にずっと身を置いていたなら、余計心配になる。
いつか、あいつは目のとどかないどこか遠くにいきそうで・・。」
江波
(どうして、こいつらは、
お互いを思うあまりに衝突してしまったんだろう。
だが、俺は、月島のこんな姿を初めて見た。
それに海城もあんなに感情的になる姿を初めてみた。
まったく、世話のかかる奴らだぜ・・。)
といってわずかに笑みがこぼれていた。
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主人公
あまりの状態に部屋を飛び出してしまった。
ひとしきり泣いていて、ようやく、頭がすっきりとしたら今までのことを思い返した。
あぁ、しばらく部屋に戻りたくないなぁ。
建物も屋根に上がってごろっとしていた。
ここなら、たぶんだれも来ないだろうと思ってだった。
はぁーとため息をついて空を見上げる。
すると誰かに声をかけられた。
甲斐田「おい、貴様、ここで何をしている。
今は、執務中であろう。」
驚いて、声のしたほうを振り返ると 父の甲斐田伸作が立っていた。
海里「えっーーー。」
思わずよろけて落ちそうになるところを踏ん張っておさえる。
海里「どうして、ここに父上がいるのですか。
あっ、それになんでしょうか、今回の指令は、
あれはお取消しお願い申し上げます。
私は仕方なくとも月島さんのはやめてくださいませ。」