私を酔わせて
□5cmの恋文
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部屋に戻り、レシートと睨めっこする
余白に記された英数字
それは安室さんのメールアドレスで……
これは……要連絡、ということなのだろうか
いくらレシートと見つあってみても
レシートが何かを語る訳では無い
30分ほどそうしていたが、
ようやく携帯に手を伸ばす
1つ1つ慎重にアドレスを打ち込む
件名は……どうしよう
名乗っても相手は私の名前を知らないだろう
ここは“昨日助けていただいた者です”
と書いておけば良いのだろうか?
本文も打っては消し、打っては消しを繰り返し
ようやく完成したのはなんとも簡潔なメールで
女の子の可愛いらしさの欠片もない
それを送信するかどうかも散々迷った
ようやく送信ボタンを押し、
無事メールが送信されたのを確認した途端
ベッドに倒れ込むほど消耗していた
そのまま緊張の糸がプツリと切れた私は
電気も消せないまま眠りに落ちた