私を酔わせて
□新たな友人
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『あの時共々、ご迷惑おかけしました 』
「いえ、大丈夫ですよ
それにしてもすごい偶然ですよね!まさか、こんなところで会うなんて!」
深々と頭を下げる私に対して、毛利さんはにっこりと笑った
「この近くに住んでるのか?」
続いてボーイッシュな世良さんも質問を投げる
『はい、でも今日引越ししてきたばかりで……』
「今日!?職場は!?」
『転校ですね……あの私、まだ高校生ですよ?』
「えっ……ごめんなさい!」
私の返答に鈴木さんが慌てて口を塞ぐ
『慣れているので大丈夫ですよ
私は2年ですが、あなたがたは……』
「うっそ、しかも同級生!?」
どうやら転校先の学校まで同じようだ
偶然の出会いにポアロの一席はガールズトークで盛り上がった
人と話すのがあまり得意でない旨を伝えると
3人は拙く零す私の言葉を待ってくれた
私が口を挟むことが難しい話題は
無理に喋らなくても聞いているだけで楽しい
ここはとても心地が良くて落ち着く
新たな友人は、私にとって早くもとても
大きな存在になりつつあった
彼女らに出会えただけでも、私の決断は
私の人生に大きな変化をもたらすだろうと、そう思った