私を酔わせて

□発症
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新たな友人との会話で肩の力が抜けたその時だった

彼が私達の席まで来たのは

「これ、サービスです。落ち着きましたか?」

テーブルの上に乗せられたのはサンドイッチ

わあ、と毛利さん達から歓声が上がる

「アヤメさん、安室さんの作ったサンドイッチ、すごく美味しいんですよ!」

『そう、なんですか……』

男性に見られている、と意識するだけで

緊張していつも以上に上手く話せなくなってしまう

心拍数が上がり、顔が熱くなる

『あ、えっと……ありがとう、ございます……』

ぎゅっとスカートを握った手に汗が滲む

助けてくれた人に、顔を合わせての会話さえできない

情けなさに涙まで浮かんできそうだ

「まあ、あんなことがあった後ですから、無理もないでしょう
僕の事は気にしないで、ゆっくり楽しんで下さい」

『ごめんな、さい……』

そんな私に優しく声をかけると、彼は去っていった

離れていく気配に望んでもいないのに

安堵の息を吐いてしまう

私はこんな自分が嫌でたまらない
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