黒子のバスケ

□微睡み
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貴「花宮くんが倒れたって本当ですか!?」

今は彼の体育の授業が終わって少し経ったところだ

クラスが離れていた私は移動中にその事実を知った

先「軽い貧血よ」

とりあえず大事には至らなかったらしい

先生が保健室から出ていくと部屋は花宮と私の二人きりになった

そっと私はその寝顔を盗み見る

貴「・・・悪童も寝顔は可愛いのね」

私は彼の裏の顔を知っている数少ない人間の一人だ

それ以上でもそれ以下でもない

少なくとも、あんたにとっては・・・ね

貴「ムカつくのよね・・・本性隠して上手く生きていることも・・・昔から私より頭も運動神経もいいことも・・・」 

彼が寝ていることをいいことに言葉がどんどん溢れてくる

貴「・・・そんなあんたが好きな私も、いくら追いかけても追いつけない、追いつかせてくれないあんたも・・・全部、全部ムカつくのよ・・・ムカつくけど・・・好きなの・・・」

軽く髪を梳いてみる

女の私より綺麗なんじゃないか、とまたちょっと腹が立った

貴「同じ高校合格したのにさ、頑張ったんだよ?私の学力なんてあんたも知ってんでしょ?なのに最後に話したの、いつだっけ・・・これじゃ、頑張った意味ないじゃない!」

涙ぐむほど取り乱していたことに気づき小さく息を吐く

貴「・・・授業・・・戻んなきゃ・・・別に私は彼女でも何でもないんだし」

踵を返そうとする

と、ずっと髪を梳いていた手を掴まれた

ふとその顔を見ると目がぱっちり開いていて・・・

開いていて・・・?
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