拾ったのはマフィア人でした。
□出発前
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べ「姫、そろそろ出発ー?」
貴「うん、あともうちょいかな」
日本行きの荷物を確認している扇華に
ベルが声をかける
マ「忘れ物はないかい?扇華はそそっかしいからよく注意した方がいいよ」
貴「ありがとマーモン
これでもう確認するの15回目だもん、多分大丈夫よ」
微笑みを返しながらデイバッグを閉める
ルッスから貰ったチャームが
チリンと音を立てて揺れた
ス「準備はいいかぁ、扇華」
貴「いつでも大丈夫よ ホントはレヴィとかルッスにも見送って欲しかったけど…任務ならしょうがないよね」
寂しそうに目を伏せる
べ「オカマも寂しがってたぜ
任務すっぽかしてでも扇華ちゃん見送る!≠チてな」
マ「レヴィも相変わらずムッツリだけど寂しがってたよね」
べ「あー、あれな…いつも以上にウザくてキモかった」
2人らしいな、と話を聞いて笑みを浮かべる
貴「ところでさ、スク兄…ほんとにこの地図で大丈夫なの?…ていうか、これ地図なの?」
ス「どっからどうみても地図だろうがぁ!このとおりに行けば間違いねぇ…待ち合わせ場所は空港内だからお前でも大丈夫だろう」
貴「ふーん…日本ってこんな感じなのかな…あ、これ道っぽい…」
地図に目を凝らす扇華は
スクアーロの話を最後まで聞いてはいなかった
ザ「…出発か、扇華」
貴「ボス!見送りに来てくれたんだ」
ザ「いや、腹が減ったから起きただけだ」
貴「ああ、テーブルにパウンドケーキ置いといたから 私の不在中の調理はシェフに任せてあるから安心して!レシピも渡したし!」
10日間コツコツ作り置いたものだが
今日か明日には無くなってしまうだろう
べ「ドライフルーツのやつ?」
貴「そうだよ、よくおやつにだすでしょ?」
ス「見送りから帰ったら食うかぁ…残しておけよ!」
貴「ちょっと!私の送迎疎かにしないでよ!」
こんな会話も数時間後にはできなくなる
離れ難い気持ちを抱きながらも
海の向こうでの生活に心踊られるのだった
そしてこの数時間後、赤髪の少年と
運命的な出会いをするのだが……
この時の扇華は知る由もなかった
増してはスクアーロの地図が
全然当てにならないことなど…