黒子のバスケ

□クロユリの姫
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『今日はチョコレートか……』

朝、自分の席に行くと毎回何かが乗っている

最初は花が乗っていたのでイジメかと

思ったのだが、そうでもないらしい

送り主は、洛山で最も有名な人

強豪バスケ部の主将、赤司征十郎

もう慣れたことだ、とチョコレートの箱に

手を伸ばす……見るからに高そうな箱

口に運ぶと芳醇な香りが広がる

クラスメイトのバスケ部員をみると

何かをメモしているのが分かる

手の動きが明らかに丸を書いている

はい、そうです。好感触です。

チョコレートに罪はありませんもの

このチェックも最初からあるもので

ショックで固まってから花は贈り物リストから

除外されたらしく、机に乗ることは無い

ちなみに初回の花はクラスの花瓶に生けた

もしかしたら、私の手元に渡らなかったのが

不本意だったのかもしれないけれど

ああ、そういえば今日の放課後は

生徒会の集まりがあったんだった

朝から憂鬱な気分になりながらため息をつく
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