短編集・H×H

□fall to you!
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「よいしょっ!」

目の前の人の群れを、バッタバッタと斬り倒していく。


今日の仕事は盗賊のアジトを壊滅させること。

情報屋の調べではそこそこ手強いって話だったから、仕事仲間のイルミも呼んでおいた。


彼は腕も立つし、何かと息も合うんだよねぇ…

だから今回だけでなくお互いに仕事を手伝ったりするのは良くあること。


あ、でも今回頼んだ時
「ナマエもオレばっかに頼ってないでたまにはヒソカかなんかとでも組めば?」
とか言われたけど。

いいじゃないかー別にー。
ヒソカってたまに私まで攻撃してくるんだもんー。


…まぁ、とはいえ…

本当は暗殺のが得意なんだけど、
なんて渋るイルミもなんだかんだで毎回手伝ってくれるから本当に助かってる。


手伝う…って言っても、ちゃっかり多めにお金取るけどねーあの人。

ま、働きぶり的には当然っちゃー当然か。



そして、今回の仕事。

やっぱり情報通り、念能力者はちょいちょいいるわ人数は多いわで簡単には片付いてくれない。


「イルミ呼んどいて良かったよー本当に。感謝感謝」

建物周辺の警備と1階を担当してくれている彼に感謝しながら、
私は2階の敵を殲滅していった。










「よし、あと3人っ」

2階を片付け終え、私は現在最上階の3階にいます。


3階には広いベランダみたいな空間があって、そこに残りの3人が待ち構えていた。


まずは飛び道具を持つ男を最初に始末して。

次に、ベランダの端の方でナイフを構えていた男を背後から斬りつける。


よーし残るはバットのような物を持ってた1人だけ!


…だけど、その人の姿を見たときに、ハッとした。

……あ、この人念能力者だ。


やっばいなーこれ。
飛び道具まだいるじゃん。完全に判断ミス。

だって普通こんな場面で素振りなんてしないよね?

って、そうでなくとも念で作られたボールみたいの飛んできてるしね。

心なしかボールが炎を纏っているように見える。
変化系?野球好き??


「げ…ピーンチ」

しかもこの体制。
多分…避けたら落ちる。下に。

でも痛いのも熱いのもやだよどうしましょ。



「ナマエ!」


「!」


…次の瞬間、私はわざとベランダから跳び降りた。

跳び降り際に自分の持っていたナイフをバット男の首目掛けて投げつけてから。


ひゃあぁぁぁ浮遊感ーっ


でも…きっと私は大丈夫!


「イールミー!」


私は両手を広げて…
ベランダの下にいたイルミの胸に飛び込んだ。


無傷!あー良かった助かった!

「ありがとうイルミー受け止めてくれるって信じてたよーっ!」

「ナマエ…オマエちょっとは危機感持ってよ…オレがいなかったらどうするつもりだったの」

「えへへ…ごめんごめん、でも来てくれて助かったよ」


私が3階からダイブしてもしっかり立ってるイルミ。

逞しいねぇ…もはや人間離れしてるけど。


「結構ヒヤヒヤしたんだけど」

「ごめんって!っていうかイルミでもヒヤヒヤとかするんだねー」

「…今回のオレの報酬2倍ね」

「えー!そしたら私の今回の仕事ほぼ無意味になるよ!?」


だってただでさえイルミの取り分多いんだもん!

私、生活できなくなるよ!?


「冗談だよ。その代わり次のオレの仕事、格安で手伝ってね」

「えー」

「文句言わない」

「はーい」


…ふふふ。

「え、何?何で笑ってるの気持ち悪い」

「ふっふーなんでもないよー」

結局、一緒に仕事してくれるんじゃない。


「私ねぇイルミがいるなら100階からでも飛び降りれる気がする」

「は?勘弁してよ。ナマエが良くても受け止めるのはオレなんだから」


そーんなこと言っちゃってー。

…私はどこへでも飛び降りるよ。あなたがいるなら。


「信頼してるからねー」

「次そんなことあったら針構えて待ってるよ」


だって、いつも必ず受け止めてくれるでしょ?


I fall to you!


***

頼れる仕事仲間イルミさんのお話でした。

私は高いところは割と好きだけど落ちるのはやっぱ怖いです(←聞いてない


…ところで英文(?)のつづりが合っているかとても不安…!w


ではでは、読んで下さってありがとうございましたm(_ _)m

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