鳥籠の闇、竜の鍵

□お料理、スタート!
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私とヒソカさんがブハラさんの元に到着した時には、既にいくつか豚の骨が積み上げられていた。

とはいえその数は5、6体ほど。

私たちの後にもひっきりなしに豚が届いたけれど、まぁ割と早いほうだったらしい。


「……それにしてもよく食べるなぁ…」

私は木の根元、ヒソカさんは木の上にそれぞれ座ってブハラさんの様子を遠くから眺める。

「流石のボクでもアレは勝てないかなァ♠︎」

ヒソカさんにそう言わしめるブハラさん、恐るべし。


気になっていた4人…ゴン、キルア、クラピカ、レオリオも無事合格したようだ。

やっぱやるなぁ!良かった良かった!







「あ〜〜食った食った、もーおなかいっぱい!」

やがて、ブハラさんのこの言葉で二次試験の前半が終了した。

彼の後方に積み上げられた豚の骨。
その数…なんと70頭分。

「お、恐ろしい……」

見てるだけでお腹いっぱいになってきた…!


豚が70頭なら合格者も70人。

つまり当然、メンチさんの試験を受ける受験者は70人に絞られたことになる。

私とヒソカさんは次の課題を聞くために、メンチさんの近くに集まっていった。


「あたしはブハラと違ってカラ党よ!!審査もキビシクいくわよー」

そう言う彼女の課題で、いったい何人に絞られるんだろう…?

何にせよ、それは課題次第。


「二次試験後半、あたしのメニューは……スシよ!!」

……スシ…??

スシ…って、何だっけ……?


「ふふん、大分困ってるわね…ま、知らないのもムリないわ。小さな島国の民族料理だからね」

そう言って悪戯っぽく笑うメンチさん。


「…マナ、分かるかい?♠︎」

ヒソカさんが尋ねてくる。

「いえ…小さな島国っていうなら、ジャポンっていう国だっていうのは分かるんですけど…」

ジャポンっていうのは海によって隔離に近い状態になっている国。

故に独特の文化が根付き、特有の感性を持つような国だとか。


…ただ、そのせいで私たちには馴染みのない文化も多い。

これは…困った。


すると、メンチさんが後ろの建物に入りながら言った。

「ヒントをあげるわ!!中を見てごらんなさーい!!ここで料理を作るのよ!!」

そこにあるのは…水道やまな板、包丁…と、お米?

「必要最低限な道具と材料はそろえてあるし、スシに不可欠なゴハンはこちらで用意してあげたわ…そして最大のヒント!!」


メンチさんは、人差し指をぴんと立てて続けた。

「スシはスシでも、ニギリズシしか認めないわよ!!」

ニギリズシ…ってことは…握るの?何を??


「それじゃスタートよ!!あたしが満腹になった時点で試験は終了!!この間に何コ作ってきてもいいわよ!!」

戸惑う受験生を差し置いて、早々に試験はスタートした。



「うーん。困りましたね…」

私とヒソカさんも、とりあえず調理台の前に立つ。

「んー……キミは知ってるかい?ギタラクル♠︎」

「えっ」

ギ、ギタラクルさん!?


「カタカタカタ……」

見れば、目の前の調理台にはヒソカさんの言う通りギタラクルさんがいた。

「さぁね。ていうかオマエらいつの間に仲良くなったの」

「ヤダなァ嫉妬かい?♥︎」

「は?そんなわけないだろ。カタカタ…」

「いや、それ以前に仲良くないですし…」


うわぁ、凄い人たちに囲まれてるよ私…!

それは周りもそれとなく感じているのか、近くに人が寄ってこない。

それもそうか。
ピエロメイクの殺人鬼に、針だらけでカタカタいってる謎の男。

好き好んで近付いてくる人がいたら見てみたい。あれ、私って一体。


「まぁ、分からないものを考えてたって仕方ないし♦︎それより教えておくれよ♣︎」

「は?」
「何をですか…?」

ニヤニヤ笑って私とギタラクルさんを交互に眺めるヒソカさん。


「キミらの関係…♠︎」
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