鳥籠の闇、竜の鍵
□ぼちぼち、交流
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「え…っ?何を言ってるのかよく分からないんですが…」
一体、何がどうなっているんだろう。
ヒソカさんは何が言いたいの?
相変わらずヒソカさんはギタラクルさんを見てニヤニヤしている。
…心なしか殺気が滲み出ているようだ。
「キミが言わないならボクから言っちゃおうかなァ♦︎キミが本当はイ…おっと♠︎」
「わっ!?」
言い終わるのを待たずに、ギタラクルさんは数本の針をヒソカさんに投げつけた。
彼は横に跳んでそれをかわす。
「イキナリひどいなぁ♥︎別に困ることはないだろう?だってキミは…」
「黙れ」
再び繰り出される針。
ヒソカさんはそれを巧みに避ける。
「ちょ…ギタラクルさん!?」
本当にイキナリどうしたの!?
しかも、そういえばヒソカさんって一応怪我人!
トリックタワークリア直前の出来事を思い出して、私は声を上げた。
「待って下さいっ!ヒソカさんは今怪我を「余計な気は回さないでくれるかな、マナ♠︎」
ヒソカさんが殺気を込めてこちらを見る。
「折角楽しくなってきたんだ♥︎邪魔しないでくれるかい?」
「なっ……私は一応心配して!」
「余計なお世話♠︎」
そ、そんなにきっぱりと言われると流石にショック…!
…って、そういえばいつの間にやら傷が見えなくなっている。
あの傷の深さからして治ったとは思えないし…
1番の違和感は服が切れた部分すら治っているということ。
着替えたわけでもあるまいし…どうやって…??
当のヒソカさんは私の困惑など知らず嬉しそうにギタラクルさんを見つめている。
「キミのその殺気っ…あぁ、堪らないよ…♥︎」
「ホント黙って気持ち悪い。カタカタカタ」
…ついて行けない…。
つまりどういうこと?
ヒソカさんはギタラクルさんと戦いたくて挑発してて…
ギタラクルさんはヒソカさん…いや、私に何か隠してるってことでいいのだろうか。
でもって、私にバレたらまずいことでもあるのかな…?
って…私も下手に知っちゃうとギタラクルさんに狙われるんじゃ!?
「何で私の周りは物騒な人ばかりなの……」
あの4人に会いたい…切実に。
なんて、私が考えている間にもヒソカさんとギタラクルさんの睨み合いは続いていた。
もう私には2人がお互いの敵なのか味方なのかも分からない。
当然口を挟めるわけもなく、成り行きをただ見守る。
「どうしてそんな頑なに拒むんだい?このコに知られたってキミならどうとでもできるじゃないか♠︎」
私を口封じするなり、殺すなり…そう言いたいのだろう。
ヒソカさんが言うんだから、ギタラクルさんは実際かなり強いってことだよね。
何の話かは分からないけど…私がいる前で失礼な話だ。
「オマエのお気に入りなんだろ。何企んでるか知らないけどそんなにオレと戦いたいの?」
ギタラクルさんは小さく溜め息を吐いた。
つまり…ギタラクルさんが秘密をバラされたら私を殺すっていう前提で…
それを理由にヒソカさんは彼と戦う、ってこと?
ん?でもそれって、ギタラクルさんがその戦いに応じなきゃ良いだけの話じゃないの?
そしてやっぱり、ヒソカさんは大袈裟に首を横に振った。
「分かってないなぁ♦︎本気でヤってくれないと意味ないだろ♣︎」
ボクが求めてるのは命と命のやり取りなんだから…
そう言って1度ギタラクルの様子を窺うと、ヒソカさんは諦めたようにその場に座った。
「ちぇ、興が削がれちゃった♠︎…どう?ババ抜きの続きでも♥︎」
ず、随分と切り替えの早い…
「カタカタカタ」
ってそれで応じちゃうギタラクルさんもどうなの。
…振り出しに戻った…
先程までの殺気が嘘みたいに庶民的なトランプ遊びを始める2人。
再び手持ち無沙汰になった私はお守りを鞄に戻し、ヘナヘナと壁に背を付け座り込んだのだった。