折空
□モニタリ○グネタ
1ページ/2ページ
『読者のみなさん、朗報でござる!
なんと、某人気テレビ番組で、KOHスカイハイさんと見切れてるだけの僕が共演をすることになったでござるーーーーっ!!!シュッシュ!!!』
こんにちは。見切れ職人の折紙サイクロンこと、イワン・カレリンです。
まず言わせてほしい。
信じられない。
第一、僕のTV出演ってだけでも信じられない。
特に話題性のない僕は、テレビに出演する理由もなく
口癖のおかげでせいぜいラジオ出演があるかないかってところだった。
それがなぜ。しかも天と地の差のキースさんと!!!!!!!
「ふふっ…」
実はすごくうれしい。とてもうれしい。
キースさんと僕は、共通点が全くなく、あまり会話はしたことがないが
僕はキースもといスカイハイさんのことを凄く尊敬していた。
むしろ尊敬と言うよりもう僕はストーカーと化していた。
夜のパトロールだってとうの昔から気づいていたし、人前では見せないという目玉焼きのあのかわいい食べ方もバッチリ見た。
僕に不可能はない!!!!!!!(擬態という意味で)
「折紙サイクロンさんですね?」
「…うぇあ!!!」
むんむんと考えているうちに、番組の打ち合わせスタッフが僕の前にいた。
「あ、はいっ!すみません。ぼーっとしてて…拙者、デレビ番組に出演することになったと聞いて…あ…」
ここは敬語の方がよかったかな…
「すみません。いつもの癖で…」
「いえいえ。おきになさらず。どうぞ、座ってください。」
「ありがとうでござる。」
スタッフに誘導され、椅子に座った。
「私、番組ADのアレン・カーシャと申します。折紙サイクロンさんのNEXT能力は擬態能力と耳にしましてね。是非、出演していただきたくて!!!」
「は、はぁ…」
第一声は、すごいなぁ、と思った。
HERO TVを見ていればわかると思うけれど
僕は基本、見切れているだけだ。
擬態能力は、使おうにもどう使えばいいかわからずほとんど使ったことがない。
なのになぜ、彼女が知っているか?
それは…
「…もしかして拙者の…」
「はい!!!!いつもブログ拝見させてもらっています!!!!!!ラジオも毎週かかさずリアルタイムで!!!!!!」
「本当でござるか!!!!嬉しいでござる!!!!!」
擬態については先週、ネットのラジオで喋ったところだった。
まさか聴いてくれていたなんて…
「か、感激でござる〜〜〜〜〜!!!」
彼女、相当な僕のファンらしい。
炎上することのほうが多かったけれど、ブログ続けててよかったなぁ…
「私も生折紙サイクロンさんを拝めて光栄です!!!!」
「そんな、大袈裟でござる!!!しかし、拙者に出来ることなんて…」
「はい!…こんかいはこんな企画でして」
スッ
そういうと彼女は、やけに太い紙束を
僕の目の前に差し出した
………一瞬、ジャパニーズFilmの『おぬしもわるよのう』が脳裏によぎった。
「………?」
恐る恐るページをめくると…
『 モニタリ○グ企画『自分のペットがいきなり喋り出したらどうするか』ヒーロー版スペシャル企画 』
と書いてあった。
「えっと…」
「その名の通り、ペットが突然喋るドッキリのようなものです。普段は幼稚園に通うような幼い子をターゲットにしていますが、スカイハイさんならきっと盛り上げてくれるでしょう!」
「しかし…いくらキ…スカイハイさんでも、もう大人でござるよ…?」
それに、あの人のことだからオンエアーは絶対見るだろう。そのときにバレるじゃないか。
「そこで折紙サイクロンさんが登場ですよ!!!!!」
「ひ?!!」
「いくら大人でも、あまりに自然だと少しは信じません?少しでいいんです。天然なヒーローが見れれば!!!」
「し、自然…でござるか…」
自然…と言うことは……………
『ジョン!!』
『わふっ!!!』
『ジョン!!こらジョン!!!くすぐったいぞジョン!!!!』
『わふっ!!!!!』
『ジョン?………あっ!!ジョン舐めすぎだジョン…ッ!!やめ…ジョ…ン…!!!あぁあっ!!!!』
「ヤるでござるっっっッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「わあ!ありがとうございます!!!撮影は明後日を予定していますので、今日と同じ時間によろしくお願い致します♪」
「合点、承知でござる!」
「では、失礼いたします!!!♪」
ガチャッ
「…………ひゃっ」
ひゃっはあああああああああ!!!!
なんていい日なんだろう。
今日の夜ご飯はジャパニーズ祝い飯の『セキハン』にしよう。うん、そうしよう。
ついでに『めでたい』で同じみのタイも買って帰ろう。