よーせんらいふ!
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うぜぇ。
「雅ちん、お菓子あげるー」
「ありがと。でも今部活中だから後でね」
「んー」
うぜぇ。マジうぜぇ。
何だあの1年。赤紫だか青紫だかしらねぇが、キセキの世代?ちんちくりんの後輩?だからってベタベタしすぎんだろ。
お前も何甘い顔してんだよ。リア充か!
「福井、顔、顔」
「あ"?ゴリラに言われたかねえんだよ」
「ワシに当たるな!」
「……けど、腹立つアル」
そりゃ、俺らが雅と知り合ったのは1年ちょいって短ぇけどな。それなりに濃い関係築いてきたし、ちんちくりんを1年間守ってきたのは俺らだ。
ほっとけねーんだよアイツ!
気付いたらあっちへフラフラこっちへフラフラ!お前は酔っぱらいか!
「あれ、どーしたのみんな。怖い顔してるよ」
「放っておけ。思春期のお悩みじゃ」
「そう言うアゴ村先輩は保護者の疲れたような顔してますね」
「お前のせいじゃ」
「ええ!?」
このちんちくりんが!気付けバカ!
テメーがフラフラフラフラしてっからこっちはイラついてんだよ!年下に甘い顔すんな!
「てゆか福井先輩めっちゃ殺気放ってますよ。私殺されちゃう」
「おーおー、殺してやろうかぁ?」
「マジですか。劉助けて!」
「胸揉ませるアル」
「セクハラ!」
やっといつも通りになってきた。
……と思いきや、
「ちょっとー、俺の雅ちん苛めないでくれるー?」
「うお!?敦くん敦くん!足浮いてる!めっちゃ足浮いてる!」
紫原がちんちくりんを後ろから抱き締め、そのまま持ち上げた。そりゃちっせぇ雅なら足も浮くわな。
つかパンツ見えてんだよ。何白フリルパンツとか履いてんだよ純情アピールか!?お前純情さのじの字もねぇだろうが!
「白フリル……雅は黒フリルの方が似合うアル」
「え、マジ?ていうか見んな!変態!」
「テメーが見せてきてんだろうが!」
「いったー!福井先輩太もも叩かないで下さい!」
「スパンキングアルか。ふん!」
「いだぁ!!劉ふざけんな!ちょ、敦降ろして!」
「えー、涙目の雅ちん可愛いのに」
「いた!いたぁ!ほんとマジッ痛い!」
「止めんか!!」
──ゴッ
岡村に殴られた。
いや、まあ確かにやり過ぎたかもしんねぇ。両方真っ赤になっちまった。
「うっひぐっ…バカじゃないですか!そんなに叩く必要な、ないのにッ……うう〜ッ!」
「お、お前がパンツ見せてくるからだろ…」
「見せたくて見せたんじゃないですし!今日はたまたまスパッツ無かったんです!バカバカバカァァ!!」
クソが……
何で岡村盾にしてんだよ。誘拐犯と小学生にしか見えねぇよ!
「あーあ、雅ちんのこと泣かせた〜」
「……」
「……すまなかったアル。マジバでも何でも奢ってやるから泣き止むアル」
「…………わかった……」
はや!お前それでいいのか!?
「福井、お前も謝れ」
「は!?」
「劉に良いとこ持ってかれたままじゃ」
「うっ………………あー、クソ!悪かったよ……」
「……………………気色悪ッ……」
「あ"ぁん!?」
「いや、福井先輩が謝るなんて珍しい……」
「てめえもう一発くらうか!?」
今度は劉と紫原を盾にしやがった。
やっぱ腹立つこのちんちくりん。
「雅ちんのこと苛めんなし」
「先輩命令だどけ!つか劉もだろ!」
「雅ちんが許したから……まあ俺も許してやるよ」
「上から目線アルな。口の聞き方を弁えるアル」
「なんでアルアル言ってんのー?」
「そんなことより、今日マジバで新しいシェイク発売なんだよ!劉、それ奢って!」
「わかったアル」
ああ、今日もマジバ行くことになるな。
俺らを振り回すちんちくりんのせいで、マジバじゃちょっとした有名人だぜほんと。
「秋田にもマジバあるんだねぇ」
「東京ほど多くないけどね」
「雅、明日は黒フリル履いてくるアル」
「良いけど、見せないからね?」
「チッ」
とりあえず、コイツにはスパッツがないときは短パン履くっつー習慣を着けさせなくちゃな。