よーせんらいふ!
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「お花見〜」
我々、陽泉高校バスケ部はお花見に来た!
って言ってもスタメンしかいないけどね。みんな誘ったのに、真っ青な顔して断るんだもん。
そんなに私と一緒が嫌かコンニャロー。
「つか、お前何だよそのでけェ弁当」
「何って、皆の分に決まってるじゃないですか」
「作ってきてくれたアルか!」
「うん。劉はこれね」
「謝謝!」
劉ってば嬉しそうだ。うん。作った甲斐があったな。それぞれに配り終えて、それじゃ食べよーってなってんのに。
……何してんのアンタら。
「何で写メ…」
「だって雅ちんのキャラ弁ちょー可愛いんだもん」
「食べたら跡形も無くなってしまうアル」
存分に写真に納めた後、みんな美味い美味いと食べてくれた。なんだこれ。超うれしい。でも大きい子供がいっぱいいる母親の気分。
「こら敦!にんじんも食べなさい!」
「え〜、やだし」
「じゃあデザートはなし」
「たっ食べれるし!」
敦ににんじん食べさせたり、
「劉、頬っぺについてる」
「どこアルか」
「ほらココ」
劉の口元拭ったり、
「福井先輩、ちゃんと噛んで食べないと詰まりますよ」
「んぁ?大丈夫だっつの、ムグッ!?グェホッ」
「だから言ったのに……ほらお茶飲んで!」
喉に詰まらせた福井先輩に御茶を渡したり……
「雅はバスケ部の母親じゃの!」
「こんなに手のかかる子供ばっかり入りませんよ!」
「俺は雅ちんの夫だし」
「それはワタシアル。年下は息子で十分アル」
「お前ら年功序列って言葉を知れ」
「福井先輩は夫って言うより口煩いお兄ちゃんって感じですけどね」
……ん?ってことは、消去法でいくと…
「アゴ村先輩が私の夫?」
「ブフォ!?」
「っざけんなちんちくりん!だからお前はちんちくりんなんだよ!」
「ええええ」
「モミアゴリラでは役不足アル!雅はワタシが幸せにするアル!」
「言われたら嬉しい事なんだろうけどそんな力んで言われても…」
「雅ちんに毎日美味しいお菓子作って上げる」
「太りそうだなぁ」
なんだこれプロポーズラッシュ?
お前ら揃いも揃って冗談でプロポーズとか。失礼にも程があるんですけど!
「おいちんちくりん!テメーは誰を選ぶんだ!」
「え、何が」
「何がじゃねーよ。誰と結婚すんだ!」
「ていうかまだ学生だし」
「将来的な話アル」
「んー…」
「雅ちん、俺だよね?」
「福井先輩は毎日怒ってそうだし」
「んなことねーよ…」
「劉は優しいけど、騙されやすいし」
(優しい……褒められたアル…)
「敦は夫っていうより弟って感じだし」
「え〜」
「ゴリラと結婚はできないし」
「ゴリラってワシのこと!?」
この中で結婚したい人って、そんなにいないかも…?
「あ」
「あんだよ」
「私、雅子ちゃんがいーな」
「「「「………………は……?」」」」
「美人だし、しっかりしてるし、結構優しいとこあるし」
「……荒木、監督…」
「男のワタシ達より…」
「雅子ちんかぁ…」
「「「…………ハァ……」」」
「前途多難じゃな、お前ら」
「?」
なんかよくわかんないけど……
うん、団子うまい。