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□忍足侑士警部補の殺人事件観察
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気付けば朝になっていた。
宍戸さんの愚痴をマスターに話していたら、いつの間にか眠っていたようだ。
マスターはにっこりと笑って眠気覚ましのコーヒーを淹れてくれた。

「料金は後で頂くよ」
…サービスではないようだ。

「でも珍しいよね、宍戸が連絡も入れずに店に来ないなんて」
自分の分らしいコーヒーを注ぐマスターと雑談をする。

ちょうどそんなときだった、俺のケータイに連絡が入ったのは。

一瞬宍戸さんかな?とも思ったけど電話口の声は明らかに別人っていうか知らない人で。
しかもいきなり警察です?新手の勧誘か何かかな、と通話を切ろうとしたとき、ありえない言葉が入り込んできた。

『宍戸亮さんのお知り合いの方ですか?私、警察の者です。昨夜、宍戸さんがお亡くなりになりました』

え?今、この人は一体…
考えが付いていかず頭が真っ白になる。

マスターも俺の異変に気付いたようだ。
静かに様子を見守ってくれている。
でもそんなことに気づかないくらいに思考は止まって景色も見えなくなって息もしていないような錯覚に陥る。

『宍戸さんからの着信履歴からお電話させて頂いたのですが…もしもし?聞こえますか?もしもーし』

「あっ、はい。すいません。何でしょうか」

いけない、思考が飛んでいた。マスターが手を掴んでくれなかったらもっと長い間トリップしていたかもしれない。
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