大学編 神

□conte 09
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「私も……宗一郎が好き」

想いあまって自然とこぼれた言葉。神は驚いた顔をしたが、次の瞬間には口元をほころばせた。玲の手からグラスを取り、テーブルに戻す。

「初めて聞いたんだけど、玲の口から好きって」

そして玲の顎から耳にかけてすくい上げるように手を添えた。

「来て早々にごめん。でも今の聞いたら抑えられなくなった……」
「宗……」

深く深く口づけ、ゆっくり玲を倒した。玲に触れたかった──


お互いを求め合うように唇を重ねる。何度も何度も。合間に神が「玲……」と囁く声が、玲を甘くときめかせる。
下唇を吸うように唇を離したときの玲の顔に神は欲情した。今までに何度もキスはしたが、初めて触れるかのように胸が高鳴った。

首筋に顔を埋めると、甘い香りがし、それを逃さないかのように唇を這わせる。とにかく彼女を感じたい。
何度口づけても愛おしさがつのり、神は玲を抱き上げ ベッドの上に座らせた。

玲の服に手をかけ脱がせ、自分もシャツのボタンをはずし、性急に脱ぎ捨てた。
一見、細身に見える神、だがキレイに筋肉がついており、玲はその胸に手をあてる。そっと、何かを確かめるように。神の強さはどこにあるのかと探すように、そのままその胸をゆっくりとなぞった。

「宗一郎……」

体を伝うその甘い感覚に、神は痺れ、たまらなくなる。

正直に言うと、何かをするたびに仙道を思い出させるんじゃないかという怖さはあった。自分に抱かれながら、仙道のことを……なんて自虐的な考えが頭をかすめたこともある。
でも、玲は自分を欲してくれていると感じた。その細い指で確認していたのは自分だと。
嬉しさのあまり、彼女の唇や舌を追い求めた。髪をなで、そのままそっと押し倒した。


キスを降らせながら、指を絡めた両手をベッドに押し付ける。長い髪がシーツに広がり、組み敷かれる玲の体。自分の背中や肩に回される手、肌と肌の触れ合い、すべてに神は刺激されていく。

キスによって、施される愛撫によって、その肌に這わせる舌によって引き出される吐息や声に、おかしくなりそうだった。
求める人との重なりは、五感のすべてが脳にダイレクトに命令を与えるようだ。

「ヤバイ…な……」

だが、しっかりと玲を堪能したあと、現役インカレプレイヤーの持久力を発揮することになる―――
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