続・5年後

□Reunion 2
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玲が携帯片手に戻ってきた時には、もう仙道への追及はひと段落していた。

「ねえ、雑誌の対談のあと、ケントとテニス出来るかもしれないー!」

玲の口から出た男の名前に、小夜子たちはケントってあのケント?とすぐわかったようだ。

「ラケット持参で運動できるような格好で来てって」
「えー、すごい!?いいな〜」
「向こうにとってはお遊びだとしても、すごい機会だよね」

越野が誰それ?と聞くと、新進気鋭のテニスプレイヤーだという。
小夜子が画像を出して見せてくれた。
歳は少し下かと思われる、いわゆるイケメン。
海外での選手生活が長く、「ケント」で通っているらしい。


「速攻しかけといたほうがいいですかね」と仙道は越野と藤真に小声で言い、2人にこれでもかという勢いで露骨に苦い顔をされた。

「ファウルだ。意図的ならアンスポーツマンライクとるぞ?」
「いやディスクウォリファイングだな。おまえ、即座に退場!」

えー、責任とらせてくださいよーと半ば冗談、半ば本気が混じるような笑みを見せた。
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