大学編 牧

□conte 10
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自分が望むような答えを
彼女はくれるだろうか。

*****

 
藤真の携帯が鳴る。玲とはよく連絡とるが、その姉からは久しぶりだ。大方 玲のことだろうと思って出ると、案の定そうだった。

「あの子 時々外泊するわよ? あれは絶対男ね」
「へ? あいつ男いんの? いつの間に」
「ここ1ヵ月ぐらいのことかな。いちど送ってもらってるところを見たことあって、やっぱり背が高くて体格いいからその人もバスケやってる人かなと思ったんだけど。健司知らない?」

「マジ!?」 (三井とか……?)
「でも少し年上だったかな。落ち着いた感じ」 (じゃ、違ぇな……)

「彼氏? って聞いても違うって。でもなーんかね。だから心配してるんだけど。まあ、健司、よろしくね」

何がよろしくなんだ? わっかんねーな、とブツブツ言いながらも、玲が新しく踏み出せるならいいじゃねえかと藤真は思う。

だがその相手とは誰だ? 自分の知ってるやつだろうか──
そういえば、諸星も「玲ちゃんに会わせてよ〜」などと自分に言ってきていた。スポンサーの広報担当者もプライベートの番号をしっかり書き添えた名刺を玲に渡していた。
この間会ったとき、玲が妙に大人しかったことを思い出す。だんだん気になってきた。
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