仙道 後半戦

□conte 44
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 昨夜、あのあとも何度か求められ、玲はそれに流された。
ふと目覚めると、仙道の腕が玲を抱きしめるようにからまっていて、その暖かさにもういちど目を閉じて一息つく。さすがに気だるい。

そっと彼の胸に耳を寄せると、規則正しい心臓音と、頭の上からは静かな呼吸が聞こえて何だか安心する。ずっとこうして仙道の香りに包まれていたい。
そして、しばらくまだ眠っている彼の顔を見入っていた。

だんだん見ているだけでは飽き足らず、唇や鼻筋、眉に触れてみる。今は下りている前髪を上げてみたり、頭をなでたり。起こさないように気をつけながら、でもちょっと遊んでしまう。

また唇にもどり指でなぞると、首を伸ばして自分の唇をそっと合わせた。
すると、自分にからまっていた腕にキュッと力が入り、驚いて顔をあげると仙道と目があった。

「あ……、ごめん…起こしちゃった?」
「ん? そんなかわいいことしてくるんだもんなあ」

仙道は玲の髪に顔をうずめて、おはよ、と囁いた。そして首筋にすりよせてくる、その仕草が甘えてくるようで、仙道こそかわいらしい。
こんな大きな男にそんな感覚を持つなんて、自分の方が彼にハマっている証拠だ。

「ね、玲、もっとして」と仙道は仰向けに寝て目を閉じた。
少し体を起こし、枕に片肘ついて反対の手で仙道の頬に触れる。耳から首、反対の頬へと滑らせ、さんざん顔や髪をなでたりしたあと、両瞼にそっと唇を寄せた。
そのまま鼻を滑りおり、最後は唇にちゅっと音をたててキスをした。はい、おしまいって意味で。

その唇が離れたとたん、体を反転させられ、今度は逆に仙道に唇を押し当てられ深く口づけられた。

「んんっ……」

仙道の足が玲の膝を割ってくる。

「ちょ、ちょっと!まさか?」
「結果残したら好きにしていいって言ったの玲だぜ? ベスト4ならこれくらいいいんじゃねえ?」
「………」
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