大学編 三井

□conte 10
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少し上体を起こそうとすると、温もりをのがしたくないのか、玲がギュッとしがみついてきた。体温だけでなく、理性まで奪われそうになる。

「ったく、あぶねーな。気ぃ抜けねえ」
「は? 三井さん、時々、おかしなこと言いますよね?」

玲はクスっと笑ったが、三井はそれどころではない。オレをおかしくしてるのはおまえだろ、と言いたいところ。

「(本能と)戦ってるっつーのによ」
「バスケの話? だから、突然そうやって〜」

そう言いながら、今度は玲が体を起こそうとした。さっきはそっちがそれを許さなかったのに、あっさり離れようとする玲に面白くない三井は……

「逃げんな。体温返せ」

再び抱き寄せ、押し倒した。キャミソールを捲り上げ脱がせ、一度優しくキスすると、直に肌を合わせた。
温かさを取り戻し、ほんのりピンクに色づいている彼女の肌。さきほどまでの布越しの触れ合いとは比べものにならない。
もう止まらない……。肩を抱いていた手が腕をつたい 指と指を絡めシーツに押し付けた。

「やっぱりキレイだな、脱がせても」

三井は愛おしそうに見下ろして言う。その視線に、玲の心臓の鼓動はますます早くなる。重なり合っていた肌は離れても温もりを残し、胸のドキドキが体の中から熱を発するような気がした。

ふとしたことから必要枠を超えて三井に近づいた。近づいたら、もうそこから抜け出せなくなった。今日なんて……自ら飛び込みにきたようなものだ、この腕の中に──

さんざん愛撫を施されたのち、その腕に導かれふたりは体を繋げる。玲の中は、少し前の冷たさとはうって変わって熱く溶けそうなほど。三井はたまらなくなる。

自分を見上げる熱っぽい視線、ゆるくウェーブする髪が自分の肌に触れる感触、その髪を耳にかける仕草が艶っぽく、目を奪われる。せつなげに寄せられる眉。何もかもが三井を煽る

その後も三井はなかなか玲を離さなかった。いったんタガが外れてしまうと、堪えようとしていたことは何だったのか。何度も体位を変えて愛し続けた。
      
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