大学編 三井

□conte 13
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玲と付き合い始めて1ヶ月以上たつだろうか。三井には悩みがあった。藤真に何と言えばいいか──
玲からは、男同士にまかせると体よく丸投げされた。

その玲は今、自分の腕の中。カーテン越しに朝日が差し込む時間、夕べの疲れからか起きそうな気配はない。自分に少し背を向けるように眠る玲を後ろから抱きしめ、肩やうなじにそっと唇を寄せた。

いまだに 玲が傍らにいることが不思議な気がする。自分のそばにいたいと彼女が言った時の衝撃といったら……きっと傍目にもわかるほどニヤけていたと思う。
ちっ、宮城に見られちまっただろうな──

藤真は玲と自分の急接近を何も知らない。それが後ろめたくて、最近一緒に飲んでいない。
このままってわけにいかねーよな──

切り出すきっかけがなぁなどと悶々と思いめぐらせながらも、 玲の体温を感じ幸せに浸っていたというのに……それをさえぎるようにインターフォンが鳴った。

「んだよ、朝っぱらから……宅配か?」

脱ぎ捨ててあった服を下だけ身につけ、しぶしぶ玄関を開けると、そこにも衝撃が待っていた。

「ふ、藤真……!」
「よぉ、朝からわりぃな。ランニング行きがてら返そうと思ってよ」とDVDを差し出してきた。

そして、いかにも慌てて服を着た感満載の三井を見て、「あ、マジわりぃ、邪魔した? 最近おまえ付き合い悪いのそーいうワケかあ」とニヤニヤしている。

「あ、いや…その……」

しどろもどろになる三井に藤真は変だと感じた。いつものヤツなら、「ちげーよ」とか、「そうだ、邪魔だ帰れ」などと返してきそうなものなのに、明らかに挙動不審な慌てぶり。

そしてふと目に入ったビジュー付きのベージュのミュール。見覚えがある。三井も藤真のその視線に気づいた。

あ、やべえ──
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