続・5年後

□Une robe du soir 2
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タクシーの中で、仙道は口数少なく、窓から夜空を見上げるように座っていた。マンション前に降り立つと、湿った空気が肌をなでる。玲は仙道のあとについて中に入った。

エレベーターに乗り込み、ボタンを押そうとすると、後ろから腕が伸びてきて35階を押す。そしてそのままその腕は玲を囲った。

背中の開いたドレスを強調するためにアップにされた髪。そのうなじに仙道はそっと唇を寄せた。ずっとそうしたいと思っていた。
優しくついばむようにしながら、後れ毛をかきわけるように耳の後ろに達すると、玲もたまらず体をくゆらせた。

「…監視カメラあるってば……」
「このくらい……どうってことねえよ」


そうこうしているうちに目的階でドアが開いた。仙道は玲の腕を取り連れ出し、今度は押し込むように玄関に入れた。

上着を脱ぎながらあがると、そのまま廊下の壁に向かい合わせるように押し付けた。追い詰めるかのように。 逃れられないことを知らしめるかのごとく。 だが、落とされる唇はあくまで優しい。

仙道は玲の背中のファスナーを降ろし、左右にゆっくりと開いた。うなじから背にかけて逆三角形を描き現れた白い肌。
さきほどまで惜しげもなく晒されていたそこに、また手を這わせる。今度は遠慮なく。玲の身体がピクリと反応した。

「感じる?……でもパーティでの方が感じてたんじゃねえ?」
「何言って…意地悪だよ、彰……」
「意地悪はそっちだろ? 藤真さんに触れさせた……」
「あれは健司が……」
「藤真さんでもダメだ……」

その背に今度は唇を這わせ、キスを降らせる。
まるで話しかけるように。少しづつ下がっていき片膝つくような姿勢をとり、丹念に愛撫していく。

再び立ち上がると、玲の顎を上向かせ深く口づけた。相変わらず後ろから覆いかぶさってくる仙道。
ワンピースを肩からはずし脱がしにかかるとともに、下からも捲り上げ、太ももに手を這わせる。

自然と玲の口から熱い吐息が漏れた。自分だけ淫らに崩されるのがたまらなかった。
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