続・5年後

□Reunion 1
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仙道、早くこねえかな──

試合の日の朝でもないのに、こんなに仙道の到着を待ってジリジリしたことはない。コート外で、こんなにヤツの存在を頼りにしたことはないかもしれない。

越野は目の前で繰り広げられる女3人のマシンガントークに、こいつらいつ息してんだ?
とただただ唖然と眺めていた。

時折自分に話を振られるが、自分が答える前に、「あー、コッシーはそういうのダメじゃない?」「あ、そんな感じ」「でも前にさ〜」と勝手に話が進行していく。

確かに15分ほど遅れてきたが、ここに来てから口にした言葉は「オレもビール」と注文した時と「おつかれさま」と乾杯した時ぐらいじゃないだろうか。


「あれ? コッシー、大人しいね」

やっと玲が気が付いてくれた。やはりさすが元キャプテン。

「いや、気にせず続けてくれよ……」
「そうはいかないよ、せっかく年末以来の再会なんだから」
「そうだよ、最近どう? いいことあった?」 
やべっ、今度はターゲットになっちまったか?と思っていたら、救世主が現れた。
個室の入口に頭を打たないよう下げて入ってきた仙道に続いて、もうひとり。ユニフォーム以外の姿を見たことはあったか、なかったか……デニムにVネックのTシャツというラフな格好の藤真だった。

一同、目を丸くする。

「俺も邪魔していいか?」という藤真の問いかけに、玲はともかく女性陣がNoと言うわけない。
「もちろんですよ!」越野もいろんな意味で目を輝かせて答えた。

仙道は玲に困ったような苦笑いをしてみせる。玲は小さく溜息をつき、何も言わずにビールを2つ追加した。
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