続・5年後

□Festival
1ページ/2ページ


その入場券はネット上で高値がつき話題になった。だが、終了後はもっと……とある金額が巷でウワサになった。ただそれの正確な数字は明かされず、憶測だけが飛び交うことに―――


藤真と仙道が所属するチームのブースター(ファン)感謝祭。できれば純粋でコアなブースターだけで構成したかったが、スポンサーがそれを許さず、大々的に取り行われることになった。

普段は見られない選手の素の表情が垣間見れると、バスケ好きはもちろん、それより何より若い女性の注目度がすさまじかった。
当の藤真と仙道は、それでいいのか?との疑問に頭をかしげていたが、他の選手たちは、自分たちのプレイを応援してくれる生粋のブースターに加えて、華やかな香りも混じると秘かに楽しみにして落ち着きがない。
まあ、何にせよ、これをきっかけにバスケに興味をもってもらえれば万々歳だ。


実際、少しターゲットが女性寄りなのではと思わせる企画が多く辟易する。

飲食コーナーでは選手が売り子となってオモテナシ。そのブースのひとつは釣り好きの仙道とゆかりの地にちなんで『湘南海の幸弁当』
マグロコロッケやメゴチの天ぷら、シラスがふんだんにのせられたご飯、湘南産の野菜を添えたこの弁当の仕出し元は魚住の割烹料理屋だ。
早朝から従業員総出で準備してくれて、神奈川からここに納品してくれた。だから限定70食。しかも仙道が前面に立ち売れば、またたく間に売り切れた。

藤真はドリンクコーナーにいた。某コーヒー店を彷彿とさせるエプロンをつけ、客に手渡す役。女性の長蛇の列が出来ていた。

センタープレイヤーは子供たちを抱っこして、ダンクをさせてやったり、チアに囲まれてのフリースロー対決があり、入るとチアの皆さんとハイタッチ。選手とのアームレスリング大会もあり、各所で盛り上がっていた。
次へ
前の章へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ