続・5年後
□Sur le lit
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「昨夜はいい思いさせてもらったからさ……」
今度は何を言い出すのかと思えば、「お返しするよ」と仙道に腕をひかれた。そんなのいいからと抵抗すれど、簡単にベッドにうつ伏せに組み敷かれ、熱い吐息を耳元に寄せられる。
「ねえ、玲? 昨日、誰と飲んでた?」
「だ、誰って……事務所の人たちだよ……いつもの」
「へえ……」
仙道は肩にキスを落とし、背中を優しく撫で上げる。その手がどんどん下にさがってくるから、玲は逃れるように仰向けになった。
「沖縄料理の店行って…美味しかったから、つい……」
「泡盛?」
「……うん、途中から」
あれ、けっこう度数高いからなあ、と玲の上唇を味見でもするようにペロッと舐めた。そして言い聞かせるように呟く。
「飲むなとは言わねえけど、ほどほどにな? まあ、信用してるけど」
「うん、わかった……」
わかったと素直に従ったのに。
「あ…!……ッ」
仙道は少し体をひくと、玲の胸を舌で舐めあげた。軽く歯をたてたり、吸い上げたりと弄ぶ。反対側は指先で。
「ん〜、でも昨日のあれは悪くねえな。玲、すげぇ情熱的でさ」
「お、覚えてな…い……」
「だから思い出させてやるって」と言いしなに、本格的に玲に圧し掛かってきた。
少しでもよい声をあげようものなら、ニヤリとするのが感じられて仙道の思うツボだ。続けざまに好きにされて、逃げられない。
昨夜みたいにしてよ、と座る仙道の上に乗せられた。昨夜の自分がどうだったのかなんて、快感に力が入らない身体では余計に思い出せないが、無意識に彼を求める。
背中と腰を支える手で上下させられるとともに、突き上げられた。
「だめ…、それ…ダメぇ……」
「な、んで? 昨日は自分でこうしてた、ぜ? オレも、すげーいい」
彼の頭を掻き抱くようにしがみつく。もう、何と言ったらいいかわからない。仙道が欲しいだけでなく、自分のすべてが仙道のものになればいい。被支配欲とでもいうのだろうか。
こんなにいろんな欲ばかりでは、救われないと思える自分。それでも仙道に抱かれていると、どうしても望んでしまう──
「玲、思い出してきた?」
「え…わかん……な…」
「まあ、いいや。まだオレ、終わんねえから……」
枕にポスンと背を倒され、もっとよくしてやるよと囁かれた。