蒼生の錬金術師
□黒い手
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突如、花燐の身体に現れた呪印……それは痛みとともに広がり、彼女の身体を蝕んでいく。
はたして、この呪印の意味とは……
そして、彼女の運命は……
(っ痛!……しかしこの呪印いつ私の身体に……たしか、私が今まで接触したホムンクルスはキング・ブラッドレイだけ…………やつは私の身体になにをした……この呪印によって何をさせようとしているの?……)
そんな彼女にグリードが声をかける。
「おい、花燐顔色悪いぞ、おまえまた具合悪くなったのか……それとも……なにか俺に隠しちゃいねぇか?」
と疑いの目で見てきたグリードに対し、花燐は内心焦りつつどうにか平静を装おとした。
(!?やばい、ふつうにふつうに)
−なっ、なんでもないわよ……ほら、スラムに着いたみたいよ−
「ふ〜ん?……おまえ俺から離れようとすんなよ」
とグリードは花燐と手を繋ぎそのまま歩き出した。
−な!?−
(こんなに近くちゃ、ばれる……てか手繋ぐ必要あるの……)
「ホーさん、客だよ!」
「来たか、エドワー…どうッ!」
とエドはホーエンハイムの顔を思いっきり殴った。
「あースッキリした」
「右で殴るなんてひどいじゃないか、ん?友達か?」
「俺たちは成り行きの連れだ」
−どうも、エドと旅をしています、花燐です−
「で俺がこいつらのボスな」
「それはそれは息子がお世話になっています」
「いやいや、ほんとに糞生意気なお子さんで」
「うるせぇ!!」
「……変わった入れ墨だね」
「……あー、隠してもしゃーないか、おっさんも隠さず話せよ」
「あぁ、全てを話すよ」