夢物語【アングライフェン篇】
□シン国にて
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「ん……」
朝か、またあの夢を見た……
ガラス越しに話しかけてきた彼の言葉
「ぜってぇ、おめぇを俺のものにしてやる」
だから、泣くなと言われたような気がする……だけどその顔はぼんやりとして思い出せない
「……あそこに行くか……」
とメルジーネは着替えて机の上にあった黒のサングラスをつけると部屋を後にした。
ズガガガガガガウィーンガチャっ
ズドドドドドドドドドドド)
ここはSWAT隊員専用の訓練所、メルジーネは一人サブマシンガンで射撃をしていた。
ウィーン)
「おっはよーメル!」
カチャッ)
「サアラおはよう、この前は悪かったわね、せっかく誘ってくれたのに」
「いいのよ、別に気にしなくても、ところで聞いた?ブラッドレイ長官がシン国へ行くんだって」
「へぇ、なんか会議とかでもあんの?」
「うん、今回の世界各国首脳平和会議はシン国でやるんだって、なんかシンのほうから言ってきたみたいよ」
「まぁ、あの国とこの国は根本的に違うからね、いざこざが広まらないといいけど…」スチャッガチャ)
「ねぇ、やっぱりその銃古くない?今時、リボルバーなんて……」
「前にも言ったでしょ?これは父さんの形見なの、いざって時には使えるし、ベレッタM92はあくまで仕事用よ」
ウィーンバンッバンッバンッバンッ)
「メルさ、運命の人見つかったの?」
バンッカキィンッ)
「あら?メルが外すなんてめずらしー」
「サアラ……私がいつ運命の人だって話したのよ……」
「え?だって運命の人でしょー、だって自分が泣いてるところ話しかけてくれるなんて優しそうな人じゃない!」
「運命の人…とは違う気がするんだよね、それに……」
「それに?」
「なんか怖かった」
「えー、何よそれ」
「自分でもよくわからないのよね……」
「おっ、いたいた」
と訓練所に顔を出したのはヒューズ副官。
「!ヒューズ副官、一体どうしたのですか?」
「ブラッドレイ長官がお呼びだよ」
「「え……」」