夢物語【アングライフェン篇】

□傷の男
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メルジーネは一人、電車に揺られていた、そんな彼女の目に入ったのはとあるニュース。














『昨夜、SWATのS級隊員、グラン隊員が何者かによって路地裏で殺害されていました、今回の事件もSWAT隊員を狙った連続殺人事件の1つであると……』















今日は久々の休み、そして今日はエドたちの母トリシャの命日、仕事でお墓参りに行けないエドたちの代わりに私が行くことになった。













『連続殺人犯に捕まるなよ〜』なんて、サアラに冗談を言われて出てきたのを思い出す。確かに連続殺人犯も気になるがそれ以上にメルジーネの頭の中はシン国であったことでいっぱいだった。
















(あの男は……何を考えている?)
なぜ、初対面の私にあんなことをしたのか、私に気があるわけであるまい……なのにあんな…あんなキスをするなんて……まるでどこまでも貪欲と言わんばかりな……















『いつか、おめぇを手に入れてやる、覚悟してろよ』













あの夜の言葉が未だに鳴り響いている……その声が15年前の声と重なったような気がした……











(ありえない……絶対にありえないんだから……)とメルジーネは首を振り、耳にイヤホンを付け、お気に入りの曲を聴きながら何も考えないようにしていた。
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