夢物語【アングライフェン篇】
□遊園地(番外篇)
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「遊園地?」
ここは、SWATの訓練所、自分の拳銃の手入れをしていたメルジーネはサアラの一言に訝しげに顔をあげる。
「そっ!この前South区に出来たんだって!!ねぇー、行こうよ!近くにはホテルも建てられたから泊まりで遊びに行けるし!!」
「えー……サアラ一人で行ってきたらいいじゃん」
「一人で遊園地なんてどんだけ寂しい人間よ……ねぇ〜行こう行こうよぉ〜」
「いいって……とにかく、私は行かないからね」
と訓練所を出ていくメルジーネにサアラが叫ぶ。
「メルのケチー!!」
「遊園地ねぇ……」
小さい頃から遊びなれてないから自分が行ってもサアラが楽しめないだろうなと思って断った。
正直、興味はあるし行ってみたいなとかは思ったけど……そんな気持ちさえ素直に言えない自分がいる。
「はぁ……」ガチャ)
溜め息をつきながら自分の部屋のドアを開けると中に誰かいる気配がした。
バンッジャキッ)
「のわっ!?メル、俺だって!!」
扉を蹴り開け拳銃を構えた先には部屋のベットの上で座り慌てているドルチェットの姿があった。
「!ドルチェット……あのさ、勝手に人の部屋に入るとか…何考えてるわけ?で…今日は何しに来たの?」
「相変わらずそっけないな、せっかく可愛い顔してんのによ…」
「ド〜ルチェ〜ット〜(怒)」ジャキッ)
「わわ、わかったって…とにかくその物騒なもん下ろそうな…な?」
「ったく…チャキ)それで?用事は?」
「あ…あぁ、グリードさんが明日、この前South区に出来た遊園地に行くぞって……」
「遊園地に?明日?明日は私仕事なんだけど……」
「そこは、ラースに言っといたから大丈夫だだとよ」
「はぁ……そんなことを急に言われても……」
「『おまえに拒否権はねぇからな』だとよ、それじゃ明日午後一時に現地集合な」 カタッ)
「ちょ……!!」
とドルチェットは窓から出ていってしまい、メルジーネはさらに深い溜め息をつくのだった。