夢物語【アングライフェン篇】

□血の覚醒
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「あれから情報は...無し....か...」
自分の目の前に広げられた事件に関する資料を机の上に並べながらメルジーネは、呟く。
実際に仮面の男が事件の真犯人ということはわかったがその男が何者でどういう力の持ち主なのか未だに判明出来ていなかった。






「......バイクを...遠距離から破壊するあの力...」
アイザックがいうにはそれは錬金術の可能性があるが、近くに錬成痕が無いため錬金術ではないとのこと、ならやはり、考えられるのは一つしかない。







「念力(サイコキネシス)...」
資料室の本棚に近寄ると一冊の本を掴みパラパラとページをめくる。







「......あった...念力...超能力の一つで意思の力だけで物体を動かすこと、力の使い方によっては物体を破壊することも可能...か...っくそ、敵がこんなのだったらかなり厄介だぞ...!....」
とその時、メルジーネは、自分の脳に激痛を感じ次の瞬間にはグリード、ドルチェット、マーテル、ロア、その他の仲間たちが血まみれで倒れてる光景が浮かんで思わず本棚に寄りかかって呼吸を整えようとする、その額には汗がびっしょりだった。






「今のは....なん...だ....予知....能力....?....目が火傷のように熱い....っ...!.......」
と次の瞬間には空が真っ黒な雲に包まれ土砂降りが降っている光景が浮かぶ。








「.......グリー....ド...」
とメルジーネは、資料室をあとにする、そんな彼女を影から見ている存在に気づかずに。









「あれ?メル,どこか行くの?」
とサアラとすれ違おうとした、メルジーネは、彼女の肩を掴むとその目に訴えかけるように口を開く。








「ごめん...私しばらく....帰らないから、後のことは頼んだ...」








「あ....ちょっ...メル!!」
と走り去る彼女を引き止めることが出来なかったサアラだった。
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