蒼生の錬金術師【シンの東壁篇】

□闇と光
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花燐は、剣の手入れを自分の書斎でやりながら考えに耽っていた。
(最近カオスに動きがない……奴らなにを企んでいる……)










バタンッ)
とそんな彼女のもとへ愁春衛尉が慌てながら駆けつけた。
「煉大尉!!大変でス!!」









「!!どうした……!!」










「北の斐然村の人々が大量虐殺されたと報告がありましタ!!偵察に向かった者もまだ帰還していませン!!」










(!?まさか……)
「……よし、馬を用意しろ!!恣兄弟は全員ついてこい!!」









「はッ!!」






















バカラッバカラッバカラッバカラッバカラッバカラッストッ)
「これハ……虐殺というより喰い荒らされてやがル……」










たしかに厳慈郎中令の言うとおり、地面に横たわる人々の身体は喰いちぎられたような姿をしていた、それを呆然に見ていた花燐に光琳中尉が声をかける。
「大尉!!この者まだ息がありまス!!」










「!!おいっ大丈夫か!一体なにがあったんだ!!」









「黒い化け物……」ガクッ)









と息絶えた男の一言に愁春衛尉が花燐に声をかける。
「黒い化け物……大尉……」










「あぁ、間違いない……カオスだ……ちっくしょう!!奴らこんなに人を喰いやがって!!今までなぜおとなしくしていた!!」









「しかし僕ら四人がこちらに来て大丈夫なんですカ?もし、都に奴らが向かったラ……」









と光琳中尉の一言に花燐は答える。
「都のほうは大丈夫だ、奴らが嫌う光を発する石を都の周りに埋め込んどいた……やはりお前たちを連れてきて正解だったな、唯一カオスとまともに闘えるのは私とお前たちだからな……普通の兵は喰われかねない」










「さすがですネ……それでどうしまス?」









と厳慈郎中令の一言に花燐は辺りを見渡しながら答える。
「奴らを捜しだす、今回で全て全滅してやる、そうしないとこの国の安寧がいつまでも脅かされるからな」










と彼女の一言に愁春衛尉と光琳中尉が答える。
「そのほうがいいでしょウ、人を喰らう化け物などさっさと退治するべきでス」










「ですネ、行きましょウ!」
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