蒼生の錬金術師【番外篇】
□パーティー
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「クレタ国からのパーティーの招待状が大総統に……?」
ここは大総統室花燐は、目の前で椅子に座っている白髭の男性の言葉を反芻する。
「そうなんだよ、今まで争い事を我が国と続けてきたクレタが平和条約を締結したいということで話を持ちかけてきてのう」
「……それでこのパーティーへ参加してくださいってことですか…怪しいですね……それで、何故この話を私に?」
「ん?君に儂の護衛をしてもらおうと思ったんじゃよ」
「へ?私ですか?いやいや…マスタング大佐とか他にも優秀なのはたくさんいるでしょう」
「マスタング君はその日、別の仕事があるのでな、他の者も忙しいということで逃げられてしまってのう、錬金術師で腕も立つというのは、君くらいしかいないと思ってな」
「……人望が薄いとお見受けしますが……分かりました、しかし軍人ではない私が国のパーティーに参加してもよろしいのですか?」
「そこは大丈夫じゃよ、君は1軍人としてパーティーに参加することになっている、ほれ、これが履歴表じゃよ」
パサッ)
とグラマン大総統が投げた紙に花燐は目を通す。
「『レオ・ギャラクシー、20歳、セントラル出身、軍人学校卒業後その実力で今の大総統付き護衛の役職に就く』……って、どんだけすごいんですか……あれ?……あの男ってなってるんですけど……」
「あぁ、男として参加してもらうことにしたんじゃよ」
「……何故ですか?……てか、バレたらどうするんですか……?」
「いやぁ、あの国は女性の軍人を認めない国だからのぉ、それに君なら大丈夫じゃろ?」
「はぁ……やれるだけやってはみますが……大総統、楽しんでませんか?」
「ほっほっほ、そんなことはないよ、それじゃ頼むね」
とそのとき、部屋の扉が開き、エドが顔を出す。
「失礼します〜大総統例の件片付けときました……って、花燐?」
「エド……とリン、任務お疲れ」
「あレ?花燐、なんかやらかしたノ?」
「ブチッ)失礼ね!私がなにかやらかすような馬鹿に見える?」
「エドワード君とリン・ヤオ君か……おぉ、そうじゃ!うん、そうしよう」
「「「??」」」