蒼生の錬金術師【番外篇】

□女子会
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カタカタカタカタカタ)
ここは、花燐のマンションから近いセントラルの軍中央研究所、花燐はここで週3日この世界のことについて研究している、また自分の世界で発展してきたものをこの世界でも発展出来ないかなどの研究もしている。
しかし、今日の花燐はそんな研究ではなくひたすら軍に与えられた仕事をこなしていた。
そんな彼女を見て研究員が声を潜めて話す。












「なぁ、最近蒼生の錬金術師殿どうしたんだ?この前まで嫌がってた軍の仕事をかなり片付けてるみたいだが……コソッ)」










「またベリー博士のせいみたいですよ……そのせいで1週間くらいここに泊まり込んでいるらしいですからね……コソッ)」










ドクター・ベリー、40代男性、彼は生態研究をしていて花燐はこの男の実験台として多々利用されている。
(博士のせいで…………)











ことは1週間と少し前、ベリー博士が研究をしていた花燐に声をかけてきた。
「おはよう、花燐くん、この前私があげたクッキーは食べてくれたかね?」









そんな彼を睨みながら花燐は答える。
「食べるわけないでしょう?あなたがくれるものは必ずなにかありますからね」









「うーむ、食べてないか……それではあれの効果がわからないからな……」









「やっぱり……てかあれは……!」










ピロロロロロロロ)
と急に花燐のスマホが鳴り、画面を見てみるとウィンリィから電話がきていた。
(嫌な予感……)
「ちょっと失礼……ピッ)もしもし?」










『あ……花燐、仕事中ごめんね?あのさ、実はリンが花燐の部屋の机の上のクッキー食べちゃって……』









「!?で……なんかあったの?」









『うん……じつは……』









『花燐!!このクッキーってなに入ってたのサ!!』









『おー、すげぇ本当に身体が別々になってるぜ』










「!?!?も……もしかして……」









『うん、リンとグリードが双子みたいに分離しちゃった……』










「ん?どうした?」








「ベリー博士……あのクッキーって……」










「あれは、自分の別人格を擬体化するものだよ、たしか効果は1ヶ月くらいだったかな…げふっ!?」









と次の瞬間、ベリー博士の顔面には花燐の蹴りが喰らわされていた。
「ご説明どうもありがとうございます……!!さて、ウィンリィ二人を外に出さないでね」










『うん、わかった』ピッ)









電話を切りながら花燐 は大きい溜め息をついた。
(なんか……大変なことになりそう)









彼女の予想どおりで二人になった途端、いろいろと大変でこの前なんて外を3人で歩いていたらグリードもリンもたくさんの女の子に囲まれて、当然グリードは嬉しそうに話をしてるし、リンはまんざらでもない顔をしていたので花燐はぶちきれて仕事に泊まり込みで没頭していた。










「すみません、蒼生の錬金術師の花燐っていますか?」








と金髪の女の子が二人の研究員に声をかける。
「彼女ならあそこに……」










「あー、見つけた花燐!1週間もずっとこんなところにいたわけ!!」









と彼女は後ろから花燐に抱きつく。
「うわっ!?サアラ……」










彼女はサアラ、花燐のカラオケ友達みたいなものだ。
「もうっ、ウィンリィが心配していたよ、全く意地はってこんな場所に籠ったりなんかして〜」









「だってー、あの二人に会いたくないんだもの、別にいいじゃん」









「良くない良くない!それじゃ、そんなで君をみんなで励ましてあげよう」










「は?励ます……?」
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